モックアップ製作でおさえておきたい建築業界の進化したモックアップであるBIMとは?

2022/08/12
column

新しく製品を開発するときにはいわゆる試作品であるモックアップの製作が重要です。建築業界においてもそれは変わりません。ただ、実物と同じスケールのものというわけにはいかないため、実際に作るとなると、縮小されたサイズのものになってしまいます。
しかし、それだとリアルなイメージを共有することが難しいデメリットがあります。そこで、注目されているのが進化したデジタルモックアップ、BIMです。BIMはコンピューター上で大変効率よくリアルに検証することができ、イメージの受け渡しにも大変優れた効果があります。今回は、そんなBIMについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

>モックアップ製作におけるBIMは建築の品質向上に繋がる

BIMとは「Building Information Modeling」の略です。つまり、建築物の情報を形にすることです。もう少し詳しくいうと、ソフトを使ってコンピューター上に3D状態で確認できるよう構築します。そして、企画や設計から施工まで管理できるように情報を一元化し共有して活用するのです。
このように、モックアップ製作においてBIMを導入すれば、設計からすべての管理が連動しているため、効率的な作業が期待できます。CADは2次元の図面を設計して、それを3D空間に起こすという流れですが、BIMは情報を一つ修正すれば、一気にすべてが対応して変更されます。品番などの情報もすべて情報として含まれているので大変便利です。
こうした便利さ、効率の良さは建築現場でのコスト削減や工期の短縮となり、品質の向上につながることが期待されます。

.デジタルモックアップのBIMによるわかりやすい情報提供

BIMはかなり早い段階で、実際のイメージを、建築を依頼した側にも渡しやすくなります。図面に設計し、それをもとにモックアップ製作を行うと、時間もかかり、変更があった場合にはさらに手間も時間も必要。そこで、BIMを活用すれば、3D空間での確認が短時間で可能となり、また情報が一元化されているため、変更対応も簡単です。
さらに、VRデバイスなどを使用することで、よりリアルにイメージの共有が可能になります。単なる画面上でなく、その場に自分がいるような仮想空間を体験しながら、建築物の確認を行うことができます。
建築物は大規模なもので、モックアップ製作をしてもミニチュアになってしまいます。しかし、このデジタルモックアップを活用すれば、実際の規模を体感した状態で情報を伝えることができるのです。

デジタルモックアップのBIMがもたらすさまざまなメリット

デジタルでモックアップを作成することは、単純に経費削減、時間の短縮が可能となります。そこにBIMソフトを活用することで、より本物のようなリアル感と、また、さまざまなシミュレーションが可能になります。
例えば、照明位置による光の当たり方、空調システムの効率など、実際にはなかなか検証が難しい内容も、仮想3D空間を利用して試すことができるのです。
これはかなりのメリットであり、専門的な解析や分析も必要がないため、費用も時間も節約できることになります。
さらに、イメージがかなりしっかりと共有できるため、「こんなつもりではなかった」という誤解も生じにくく、やり直し、仕切り直しになることもほぼなくなります。

今回のまとめ

モックアップ製作は、さまざまなトラブルを回避するためにもとても重要です。しかし、建築業界でモックアップ製作を考えたときには、どうしても規模が大きいためミニチュアになってしまいかねません。
そんな時に考えるのがデジタルモックアップですが、今それが進化しています。BIMソフトでVRデバイスなどを使用することで、3D空間をリアルに体感できるのです。BIMは、情報の一元化が可能で、時間も手間もとることなく早い段階でイメージの共有を図ることも、違っていれば変更することも容易です。
ぜひ、今後のスムーズな現場のために採用を検討してみてはいかがでしょうか。