試作品製作の軟質素材(PE、シリコン、エラストマー)に向いている表面処理の種類 2022/07/15 column 開発者には試作品をきれいに見せるために、表面処理をしたいという考えがあるかもしれません。しかしその種類をすぐに決められずに困ってはいないでしょうか。表面処理の種類がわかれば、モックアップの素材に合わせた作業ができます。 今回は軟質素材に合わせて試作品を仕上げたい方のために、表面処理の種類について解説します。正しい処理方法を把握し、魅力的な試作品を完成に繋げていきましょう。 【目次】 1.モックアップ製作における軟質素材への表面処理加工にはどんな種類がある? 2.モックアップ製作における軟質素材の表面処理には4つの方法がある 3.軟質素材に対する表面処理の選び方 4.今回のまとめ モックアップ製作における軟質素材への表面処理加工にはどんな種類がある? モックアップ製作に使われ、表面処理を受ける素材には、軟質のタイプがあります。PEやシリコン、エラストマーなどが代表例です。試作品のためにこうした素材を使う方もいるかもしれません。 しかし軟質素材は塗装業界において、扱いづらいとされます。密着不可能素材として、試作品の見栄えが良くないケースがあるからです。軟質素材を使うと、爪を立てたり、テープを貼って剥がしたりするだけですぐに傷む場合があります。 以上から軟質素材に対しては、注意深く表面処理をしなければいけません。メッキやアルマイト、塗装などがありますが、いずれにしても慎重に扱う必要があります。素材を入念に確かめたうえで、適切な表面処理を決めてください。 モックアップ製作における軟質素材の表面処理には4つの方法がある モックアップ製作で軟質素材を使った場合、表面処理には以下の4つが挙げられます。 ・メッキ ・アルマイト ・溶射 ・塗装 たとえばメッキは金属による被覆をします。耐摩耗性や耐食性、抗菌性などを与えるのが目的です。アルマイトはアルミ素材に使う表面処理法であり、電気絶縁性や耐食性、耐摩耗性向上に役立ちます。 溶射は厚い膜を作り、金属の復元や肉盛りなどに役立てることが可能です。このような作業によって、耐摩耗性や耐食性向上に繋げることができます。 塗装は腐食やサビ防止が目的であり、見た目を良くできるのがメリットです。撥水性や耐摩耗性などを得る可能性にも注目してください。 このように表面処理の方法によって、期待できる効果が異なります。試作品に求めるポイントに応じて、適切な方法を決めることが大切です。 軟質素材に対する表面処理の選び方 軟質素材に応じた処理方法を考えるようにしましょう。たとえば腐食しやすい素材を使っていて、メッキが必要なら、ニッケルメッキで耐食性向上を望めます。商品が摩耗しやすく、お客さんに長く使ってほしいと思ったら、アルマイトが選択肢となるでしょう。この場合は電気絶縁性のメリットにも要注目です。 また、見た目にこだわるなら塗装を使ってみると良いでしょう。木工家具ならスプレーガン、金属主体の商品なら液体静電塗装機など、状況によって塗装用具も変わります。このように試作品の性質に合わせて、表面処理の手順を決めてください。 今回のまとめ モックアップをきれいに仕上げるには、表面処理が欠かせません。なかには試作品のために軟質素材を使うこともあるでしょう。その場合はメッキやアルマイト、塗装といった表面処理が重要です。 素材に配慮した表面処理によって、モックアップの見た目を美しくできます。方法によっては耐摩耗性や耐食性などのメリットも得られるでしょう。このように試作品の質の向上には、表面処理がポイントです。 株式会社東海モデルでは、モックアップ製作に関する総合的なサポートを展開中です。軟質素材に対する表面処理のアドバイスもしておりますので、気になることがあればぜひご相談ください。