試作品製作の「モックアップ」と「プロトタイプ」の違いについて

2022/07/12
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製品製作にあたり、モックアップとプロトタイプどちらかを作りたいけれど、どちらが良いかわからないとお困りの方もいるかもしれません。2つは似ているようで、使用目的が異なります。目的を把握すれば、どちらを製作すべきかがわかるでしょう。
ここでは、モックアップとプロトタイプの違いを解説します。どのような目的で製作するかを理解し、作業を進めてください。

モックアップ製作とプロトタイプの違いは使用目的

モックアップは完成品と同じ外観の模型のようなもの、プロトタイプは完成品と同じ外観・機能を備えた試作品です。2つの大きな違いは製品の中身で、モックアップは機能を備えていません。
機能を備えていないのであれば初めからプロトタイプを作ればいいのではないか、と思われた方も多いでしょう。プロトタイプは外観だけでなく、製品の機能も付ける必要があるため、製作に時間がかかります。
モックアップは製品の外観のみを製作するのでプロトタイプほど時間がかかりません。モックアップにて外観イメージを確認し、デザインに納得できたらプロトタイプ製作へと進むのです。
どちらも製品製作において必要な工程なので、それぞれの目的を詳しく把握しておきましょう。

モックアップ製作は完成品のイメージを正確に伝えることが目的

モックアップは、完成品のデザインやイメージを第三者に伝えることを目的に製作されます。設計図にて製品を確認しても、実際にできあがるとイメージが異なるケースもあります。モックアップを作らずにプロトタイプを製作したものの、了承が得られずにデザイン変更を余儀なくされることも少なくありません。
平面図でのイメージと立体でのイメージは大きく変わります。モックアップを作れば立体的なイメージが掴めるため、製作スタッフ全員でデザインへの意見交換を行うことが可能です。
クライアントがいる場合は、プロトタイプ製作前に完成品のイメージを共有できます。モックアップを見れば完成品がどのようなものかがわかるため、クライアントも安心して製作を任せてくれるでしょう。修正してほしい点があればこの段階で伝えられるため、工程の初期段階で修正・変更が可能です。

プロトタイプは実際の機能を検証することが目的

プロトタイプは、搭載した機能がしっかり動くかを検証する目的で製作するものです。モックアップにて外観のイメージ共有ができた後は、製品の中身を製作していきます。製品に必要な機能を搭載した後は、実際に動くかどうかを確認しなければなりません。
想定する動きをしているか、使用時に支障はないかなどのテストを行います。動きに問題があれば設計を見直し、変更に合わせたプロトタイプを再度製作しなければなりません。
製作スタッフとクライアントが求めるものを取り入れられているかを確認するためにも、プロトタイプ製作は必須となります。必要な機能が搭載されているか、不要な機能はないかを確認するには、実際に動いているところをチェックしなければならないからです。
検証と分析を行えば製品の品質も高められるので、製作スタッフ・クライアント双方が納得できる製品ができるでしょう。

今回のまとめ

モックアップとプロトタイプは、製品製作の工程において重要な存在です。モックアップにて立体での完成品イメージを共有し、プロトタイプにて実際に動いているところを確認できます。どちらも開発前の工程なので、この段階でデザインや機能性の変更を自由に行えるでしょう。製作スタッフとクライアントで完成イメージを共有すれば、より高品質な製品製作が可能です。
株式会社東海モデルでは、お客様のご要望・予算について詳しくヒアリングさせていただいた上で試作品製作を行っております。アイデア段階でも製品完成に向けてサポートいたしますので、ぜひご相談ください。