試作品製作の切削加工で使われる代表的な材料の特徴と選び方 2022/07/04 column 切削加工で試作品製作を行ううえで、代表的な材料の特徴と選び方について知りたい人もいるのではないでしょうか。使用する材料によって試作品の状態が大きく変わるので、使用する材料は試作品製作で重要な要素です。ここでは、試作品製作の切削加工で使われる材料と選び方について解説します。 【目次】 1.試作品製作の切削加工で用いられる代表的な材料とその特徴 2.試作品製作の切削加工で使用される材料の選び方 3.幅広い種類が存在する切削加工の材料 4.今回のまとめ 試作品製作の切削加工で用いられる代表的な材料とその特徴 試作品製作の切削加工において、使用する材料とその特徴を把握しておくことが重要です。 切削加工で使用される代表的な材料は2種類あります。 ・鋼鉄金属 ・非鉄金属 鋼鉄金属は鉄がベースとなり、炭素や他元素が混合された金属の総称です。鉄は純度100%に近いほど強度が低く加工もしづらいので、炭素や他元素を組み合わせて利便性を高めています。非鉄金属は鉄が含まれない多金属の合金であり、軽量性に富んでおり強度が優れているのが特徴です。非鉄金属はさまざまな金属を組み合わせることで、用途に合わせた機能性を持たせていることがほとんど。鋼鉄金属よりも軽量で強度に優れており、ジュラルミンケースや医療用器具など幅広く使用されています。 試作品製作の切削加工で使用される材料の選び方 切削加工で試作品製作を行う際、さまざまな観点から使用する材料を選定しなければなりません。切削加工で使用する材料を選ぶうえで、2つのポイントを重視する必要があります。 ・機能 ・コスト 試作品に求める機能性は用途によってさまざまであり、強度や軽量性だけでなく加工性や耐熱性などが求められることもあります。最終製品は決められた予算内で製作しなければならず、コスト面も重要な要素だと言えるでしょう。使用する材料によってコストは大きく変動するだけでなく、加工に時間がかかることでコストが増加することもあります。切削加工で使用する材料を選ぶうえでは、機能とコストのバランスを考慮することが重要です。 幅広い種類が存在する切削加工の材料 切削加工での試作品製作において、金属材料以外にも樹脂類などの幅広い種類が存在します。樹脂材料の加工性は金属材料に比べて劣りますが、組み合わせによって耐酸性や耐アルカリ性が付与されていることが特徴です。これらは表面強度が高く、耐腐食性にも優れているため、食品機器やおもちゃにも利用されています。樹脂の種類によっては耐熱性や耐衝撃性に優れた試作品製作が可能であり、透明性が高い試作品を製作することも可能です。透明性が高いことで試作品の内部を観察でき、金属部品のヒントとして活かすこともできます。樹脂材料を切削加工で試作品製作に使用することで試作品製作の幅が広がるので、工業分野では広く活用されているのです。 今回のまとめ 試作品製作の切削加工で用いられる代表的な材料は「鋼鉄金属」「非鉄金属」の2種類であり、軽量性や強度によって使用する材料を選ぶことになるでしょう。材料を選定する際には機能とコストが重要な要素であり、最終製品に求めるスペックによって変動します。 試作品の用途はさまざまであり、加工性や耐熱性などの機能性を求めなければなりません。使用する材料によって付与する機能性は変わるので、材料選定は慎重に行うことが重要です。 材料によっては加工に時間がかかることもあり、それによりコストが増加するので、コストを抑えるには加工性を重視する必要があります。切削加工で機能とコストを重視するためには、金属材料だけでは限界があるので樹脂材料との組み合わせも考慮することが重要です。樹脂材料によっては耐腐食性や耐熱性、耐衝撃性に優れているものもあるので、組み合わせによって幅広い製品に利用できます。