樹脂材料の試作品製作でコストを抑えるにはどういった工夫が必要なのか?

2022/06/08
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樹脂材料の試作品製作の際、多くの方がコスト削減に頭を悩ませています。試作メーカーに依頼をする場合、試作品製作の予算が予め決まっていることがほとんどだからです。そのため、試作品製作を依頼する段階でコストを抑えるポイントを把握する必要があります。ここでは、試作品製作でコストを抑える3つの工夫について解説します。試作品製作のコスト削減に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

試作品を発注する際には要求事項を明確にしておく

樹脂材料の試作品製作の依頼をする際は、資材や納期などを含め、要求事項を明確にすると良いでしょう。試作メーカーが見積書を作成する際、明確な指示が無ければ予算の目安がわかりません。試作品の見積額は使用する材料や加工法だけでなく、納期によっても変動します。
また、試作品製作で製造工程中にリスクが感じられるのであれば、余裕を持たせた見積もりを作成することがほとんどです。試作品は基本的に完成品と同物性かつ同性能を目指すため、完成品の物性や性能を把握していなければ試作にかかる費用はますます高額になります。
要求事項を明確にしておけば、代替品が使えるのかということや製品形状の検討が可能です。用途に合わせた材質や代替品が使用可能であれば、コストを抑えられるかもしれません。そのため、試作品を発注する前に要求事項を明確にすることが重要です。

不必要に高い寸法公差や平面度を緩くしてみる

試作品製作において、必要以上に寸法公差や平面度が高く設定されていることがあります。この場合、精度が求められる試作になるため必然的にコストが高くなりがちです。試作品の段階では、完成品ほどの寸法公差や平面度が必要ない場合もあります。発注段階で寸法公差や平面度を緩くする事でコストを抑えることが可能です。試作品製作を依頼する前に完成品の仕様と設計を把握し、寸法公差や平面度がどの程度必須で求められるか認識しておくことが重要です。

試作品製作での細かいミスを減らす

試作品製作でコストを抑えるためには、細かいミスを減らすことが重要です。単純なミスは事前に確認することで減らせます。また、材料と加工内容の組み合わせのミスも起こりがちです。場合によっては費用が高額になることもあるため、材料に合った適切な加工内容を選ぶ必要があります。加工内容の特徴を把握した上で適切な材料選定を行うとコストを抑えられるかもしれません。
仮にミスが発生すると、再試作や再加工が必要になり、やり直し費用としてコストが上乗せされます。このようにミスを減らすことが、試作品のコスト削減に繋がるのです。

今回のまとめ

樹脂材料の試作品製作でコストを抑えるための工夫は3つあります。
・要求事項を明確にする
・寸法公差や平面度を緩くする
・細かいミスを減らす
試作品は、完成品の安全性や耐久性、量産性を確認するため重要です。そのため、依頼者は物性や性能を理解しておく必要があります。コストを抑えた試作品製作のためには、完成品の物性や性能を予め把握しておくとよいでしょう。コストを抑えなおかつ良い試作品を作るために、ポイントを押さえて試作メーカーと協議することをお勧めします。