ものづくりで大事な試作品製作の材料選定の際に押さえておくべきポイント 2022/06/07 column 試作品製作に取り掛かるうえで、材料選定に悩んでいる人もいるのではないでしょうか。試作品に使用される材料は様々であり、それぞれに異なった性能があるので慎重に選定しなければなりません。ここでは、試作品製作の際に押さえておくべき3つのポイントについて解説します。試作品製作の材料選定に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。 【目次】 1.試作品製作では完成品と同じ材料を使用する 2.外観や加工性を意識して材料選定を行う 3.加工性が高い材料は外観の自由度も増す 4.今回のまとめ 試作品製作では完成品と同じ材料を使用する 試作品製作では基本的に最終製品となる完成品と同じ材料を使用することがほとんどです。 試作品は完成品とほぼ同じ性能でなければなりません。材料によって性能が変わってしまうことがあるため、完成品と同じ性能を目指して通常は同じ材料を使用します。 ただ、完成品に特殊な材料を使用する場合、試作品に同じ材料を使うのが難しいこともあります。完成品と同じ材料を使用することは必須ではありませんが、試作品製作の目的は完成品に近い性能を目指すことです。完成品と同じ材料を使用できない場合には、材料の性能や物性をなるべく近づけることが重要になってきます。 外観や加工性を意識して材料選定を行う 試作品製作での材料選定においては、外観や加工性を意識しなければなりません。製品の外観や加工性は、使用する材料や加工技術によって変わるので、慎重に材料を選ぶことが重要です。加工技術は様々であり、使用する材料によってはそれに適さない加工技術もあります。 また、短期間で試作可能なものから、長期間に及ぶものまであります。試作品製作においては、決まった予算内で製品を作らなければならないことが多くあります。試作費用は材料や加工技術によって変動するので、事前に予算を確認しておきましょう。 試作品製作が予算を超えてしまうのであれば、量産販売することもできないので、材料や加工技術を見直す必要があります。材料選定は試作費用と納期に密接に関わってくるため、外観や加工性を意識することが重要です。 加工性が高い材料は外観の自由度も増す 試作品の外観にこだわるうえで、材料の加工性が高ければ高い程、外観の自由度は増します。 試作品製作で使用される材料において、非金属材料の樹脂は加工性が高いといえるでしょう。樹脂は熱で形状が変性し何度でも成型可能な「熱可塑性樹脂」と一度しか変性し成型できない「熱硬化性樹脂」に分けられます。樹脂は成形性に富んだ材料なので、家電や自動車部品、塗料などの幅広い分野で使われている材料です。熱変性を利用して様々な形状にできるので、外観の自由度が高くなります。外観を色々な形にしたいのであれば、加工性が高い樹脂の使用が必須だといえるでしょう。 今回のまとめ 試作品製作においての材料選定には、押さえておくべき3つのポイントがあります。 ・完成品と同じ材料を使用する ・外観や加工性を意識する ・加工性が高い材料は外観のバリエーションを増やせる 試作品は、完成品と同じ性能を発揮し、同等以上の安全性や耐久性を持ち、さらに量産販売に向いているかどうかも重要視されます。外観のバリエーションのために、加工性が高い樹脂などの材料が使われることが多いです。 試作品を製作する際は、予算や納期が決まっていることがほとんどなので、依頼者に事前確認し、材料選定を慎重に行うことが重要だといえるでしょう。