試作品製作の部品形状や材料、要求性能(仕様)によって費用が異なってくる 2022/06/03 column 試作品製作を行う場合、試作にかかる費用をどのくらいに抑えられるかは誰もが悩むところでしょう。そこで念頭に置いておきたいのは、材料にかかる費用相場の変動です。費用相場は、試作品の部品形状や材料、要求性能(仕様)との関係性が影響します。この記事では、エビデンスに基づいた試作品製作の費用相場の変動について説明します。試作品製作の費用を考える際にお役立てください。 【目次】 1. 試作品製作の部品形状や材料によって費用相場は変動する 2. 試作品製作は少量生産に適した工法で製造される 3. 要求性能(仕様)によって試作費用の相場は変わる 4.今回のまとめ 試作品製作の部品形状や材料によって費用相場は変動する 試作品製作にかかる費用の相場は部品形状や材料によって変動します。どんなケースがあるのか説明します。 複雑な部品形状の物は高額になりがち 複雑な形状の部品を使った場合は費用が高額になりがちです。また、複雑な部品を組み合わせるモジュールを使用する場合も費用がかかります。1個あたりの価格を確認し、予算に合うかどうか考えてみてください。特に予算が限られていたり、様々な事情により費用を抑えたい場合、こうした形状の物はよく考えてから使用した方が良いでしょう。 材料によっても費用が異なる 使用材料によって費用は異なります。よく使われるのは金属材料の鉄・ステンレス銅・アルミニウムで、鉄<ステンレス銅<アルミニウムの順番で価格が上がります。 なお、非金属材料は金属より比較的安くなります。特にプラスチックは、最近は強度などが改善されたものが作られています。鉄などの金属材料と比べると安価なので費用を抑えたい場合にはおすすめです。 試作品製作は少量生産に適した工法で製造される 試作品は少量生産に適した工法で製造されるため、量産より割高になります。材料にもよりますが、量産より数倍高くなるケースもあります。どんな工法で製造されるか2つご紹介します。 調整しやすい切削加工 削って形を整えていく切削加工は、細かな部分を調整しやすい優れた方法です。壊れにくい丈夫な試作品を作りたい時におすすめです。材料は量産と同等のものを使います。 しかし、費用は安く抑えられません。一つずつ削りながら行うため、数が多ければ多いほど時間もコストもかかります。少ない数の試作品に向いている方法です。 コスト削減できる3Dプリンター 3Dプリンターは、コストを抑えられる方法です。データがそろえばすぐにできますので、比較的やりやすく、造形方法も多数存在します。例えば、スピード重視の試作品や、早めに納品したい試作品がある場合には適しているでしょう。 また、3Dプリンターでの製造方法は日々発展を遂げています。課題もありますが、今後より良い方法が開発される可能性も大きいでしょう。 要求性能(仕様)によって試作費用の相場は変わる メーカーの要求性能(仕様)によっても、試作費用の相場は変わります。 例えば、自動車ハンドルスピンナーのケースでは、「高級感のあるガラスボードを使用してほしい」などの要望があると、手彫り彫刻による加工などが使われることも多いため、材料費が多くかかります。 今回のまとめ 試作品製作の費用相場は、部品形状や材料によって異なります。複雑な部品や高価な材料であれば、それなりの費用がかかるものです。 また、試作品は少量で製作されることが多いため、それに適した工法を用いて作られます。例えば、コストがかかる切削加工やコスト削減になる3Dプリンターなどです。 そして、メーカーに要求される性能によってもかかる費用は異なります。メーカーと相談することも大事でしょう。