業界によってプロセスは変わる!マーケティングの視点から考える商品開発の基本

2022/05/23
column

多くの会社で商品開発は発展を続けるために避けては通れないタスクです。全く新しい商品を作り出すにせよ、定番商品の改良品を出すにせよ沢山の手順を経て完成させる決して簡単とは言えないプロジェクトだと言えるでしょう。
売れる商品を開発するには正しいプロセスに沿って進めていかなければなりません。ここでは商品開発について、そのプロセスの重要性をマーケティングの視点から説明し、業界ごとの商品開発のプロセスの違いも解説します。

商品開発はプロセスが鍵になる

商品開発にこうすれば必ず成功するという絶対的なノウハウはありません。ただのアイデアから新しい商品を完成させるまでには一つ一つのプロセスを確実にクリアしていく必要があります。商品開発が成功するかどうかはこのプロセス次第といっても良いでしょう。
そして、このプロセスは社内の一つの部署だけでこなせるものではありません。企画や開発、営業などあらゆる部門の協力が必要です。開発に営業部門は関係ないのではと思うかもしれませんが、普段顧客と直に接してニーズを肌で感じている営業部門の意見やアイデアは企画立案において重要です。

会社を取り巻く環境を知る環境分析

最初に市場や自社の強み、競合他社の強みなどを客観的に分析しましょう。そして、材料の調達、製造工程、物流、販売方法など製品を作って売るまでに必要な過程を総合的にイメージし実現可能かどうか、どんなリスクがあるのか等を検討します。

顧客の絞り込み

次に開発する商品を一体誰に売りたいのか、ターゲットになる顧客層を絞り込みます。ターゲットを明確にすることでニーズが明確になるとともに、商品のデザインや売り出し方等マーケティング戦略も立てやすくなるでしょう。

製品の方向性の決定

製品のコンセプトを具体化させ、価格やパッケージ、そしてどこでどのように売り出すのか等の方針をある程度確定します。

試作品やモックアップ製作とテスト

試作品やモックアップを製作し、実用性や効果を確認します。テストで問題が浮かび上がればそれを改善し、さらにテストを繰り返しながら理想の商品に仕上げてください。

テストマーケティング

多くの商品はいきなり量産して全国的に売り出すのではなく、まず地域を限定するなどしてテスト販売を行います。テストマーケティングで顧客の反応や売れ行きを確認し、これなら売れそうだと判断できれば量産に移る流れです。

完成

ここまでのプロセスで何も問題がなければ新商品の完成です。

マーケティングは単なる市場調査ではない

商品開発ではアイデアを出す段階や顧客を絞り込む段階、さらに完成した商品を売り出す段階など全ての工程でマーケティングが重要です。マーケティングといえば市場調査のイメージが強いかもしれませんが、それ以外にも多くの役割があります。
ターゲットに一番強くアピールできるような宣伝方法や商品の適正な価格、どこで販売するのか等を総合的に決定します。作り上げた商品がターゲットに認知され売れるように戦略を立てるのがマーケティングの狙いです。

業界によって商品開発のプロセスは異なる

商品開発は業界によって一番重視されるポイントや細かな手順が変わることがあります。例えば食品や美容関連商品の場合は成分の選定や調達方法をはじめとして、ラベル表示や消費期限などをターゲットに合わせて決めることが必要です。また家電や車といった工業製品の場合は製品を開発しながら特許や意匠の申請登録についても考えないといけません。
業界の特徴に合わせて決めないといけない内容は変わりますが、商品開発を成功させるには実現可能な計画を立て最初の項で紹介したプロセスをこなす必要があります。

今回のまとめ

この記事では商品開発が行われるプロセスやマーケティングの役割について解説しました。売れる商品を開発するには自社や競合会社について知り、顧客ターゲットを絞り込むことが重要になります。その過程でのマーケティングの役割は大きく、最終的な商品の売れ行きも左右することになるでしょう。
これから商品開発に取り組む方や商品開発に行き詰まっている方は個々で紹介した商品開発のプロセスをぜひ参考にしてください。