製品の開発担当者がモックアップ製作の検査内容を知っておいた方が良い理由 2022/05/17 column 製品を開発するときには、モックアップ製作は欠かせません。開発者と依頼者の間にあるイメージのすり合わせを行うためには、言葉や図面だけでは難しい部分があるからです。完成イメージを共有し、トラブルを避けるためにもモックアップ製作は不可欠。そしてモックアップ製作にはそのクオリティが重要です。 今回は、モックアップ製作の検査内容を知っておくべき理由について解説します。 【目次】 1. モックアップ製作の検査内容で確認するべきポイント 2. モックアップ製作の検査内容は工程ごとに決まっている 3. モックアップ製作の検査内容はWEBツールで確認できる 4. 今回のまとめ モックアップ製作の検査内容で確認するべきポイント モックアップのクオリティが、今後の製品の品質にも大きく影響するため、モックアップの段階で完成品を見据えて必要な検査を行うことが必要です。品質や量産のための検証、プレゼンテーション用に製作するためと用途に応じて次のようなことを特に意識して検査を行ったか確認する必要があります。 1つ目は安全性です。ものを製造するには製造物責任法を守らなければなりません。商品の設計に問題があったり、設計通りに製造されずに問題が生じたりした場合、また予測される危険性を消費者に伝えなかった場合に、商品を利用してなんらかの損害がでたとき製造者は賠償責任を負うことになります。 2つ目は完成品と比較してずれがないかどうかです。ずれがあると、安全性に不足が出るのはもちろんのこと、製品が正確に機能せずあらゆる検証を行う試作品としての意味をなさなくなってしまいます。 3つ目は、開発者の提示するコンセプトにしっかり応えているかどうかです。開発者が求めている検査が行われているかも確認しなければなりません。 モックアップ製作の検査内容は工程ごとに決まっている 細かい検査内容は、工程ごとに決まっていることが原則です。工程ごとに検査確認をしないと、モックアップとして仕上がった時に不完全になる可能性があります。 不完全であると、開発する製品の品質に影響しかねません。工程ごとにミリ単位の確認、利用素材などを開発者とイメージをすり合わせながら検査を行いましょう。 製作の工程では、提出された図面からあらゆる部分を精密に計測し正確に再現されていること、仕上げの工程では見た目にも不具合がないこと、最後の確認の工程ではきちんと機能することを検査する必要があります。 モックアップ製作の検査内容はWEBツールで確認できる 昨今では、WEBツールでもモックアップの検査を行うことができ、上記のポイントも画面上で確認することができます。しかし、画面上の色合いと、実際に仕上がってきたものとの見え方が違ったり、動作がシミュレーション段階とは変わってきたりすることは珍しくありません。デジタルでは安全性や質感も実際に確認することはできないため、検査していても確実性は低くなります。 しかしWEBツール利用にも費用面や利便性のメリットがあります。WEBツールで確認する場合には、デザイナーが製品を理解し、実際との違いをきちんと説明できる必要がありますが、うまく使い分けると良いでしょう。 今回のまとめ 開発者がモックアップ製品に行われた検査を知ることは、製品のクオリティアップのためにも大切となります。開発者が意図した安全性が保障されているか、品質が保たれているか、コンセプトが合っているか、モックアップの検査を通して確認することができるからです。 必要な検査がモックアップの段階で適切に行われているか、その内容まで確認することをおすすめします。