自動車部品の試作品製作の注意点は?加工方法や材質などに分けて解説 2022/05/10 column 自動車部品は大小さまざまな部品から成り立っていることは、容易に想像できるかもしれません。ただし、それらの部品が具体的にどのような材質でできていて、どのようにして作られているのかについては知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、自動車部品における試作品製作の加工方法や材質などについて解説します。 【目次】 1. ゴムや樹脂を使った自動車部品の試作品製作は試作型を使うことが多い 2. 樹脂素材の試作品製作では流動解析も必要不可欠な存在 3. 自動車部品の材質はゴムや樹脂・金属など多種におよぶ 4.今回のまとめ ゴムや樹脂を使った自動車部品の試作品製作は試作型を使うことが多い 自動車の部品は、いきなり現物を作るのではなく、まず試作品を作ります。そしてクライアントのニーズを満たす品質の製品だと認められて、ようやく量産品の生産に着手するという手順を踏むことがほとんどです。 初期の頃にクライアントへ提出する評価用の部品は、試作型といわれる金型から作られることが多い傾向にあります。大量生産を前提とする量産型となると、寸法精度や耐久性などの部分で求められるレベルが上がるため、生産や準備に時間がかかります。 ただし、試作品においては、他の沢山の部品と合わせて組み立てテストを行うので、実際の耐久性に加えて、納期に間に合わせるスピード感も重視されます。試作品であっても、組み立ててテストする必要があるため、実際の規格と大きくサイズのズレがない部品の納品が求められるのです。 樹脂素材の試作品製作では流動解析も必要不可欠な存在 樹脂でできている自動車の部品は、試作品を製作するにあたって流動解析も重要となります。樹脂流動解析とは、プラスチック成形品の成形の際の溶融樹脂の流れを画像化し、樹脂の圧力や温度、収縮量などを定量化して製作ミスの予測やその場合の原因の分析をすることを指します。 ミスを分析することで、単なるテスト品ではなく実際に導入する場合を想定した製品として扱うことが可能です。その結果、次の工程の見通しが立てやすくなり、作業効率の大幅アップが期待できます。 自動車部品の材質はゴムや樹脂・金属など多種におよぶ 自動車部品には、部品と部品を繋ぐねじや、様々な機能を統括するための基盤があり、その素材は多様なものが用いられています。金属のものもありますが、軽量化を図るために樹脂を用いているケースも少なくありません。 そして、衝撃を和らげたり、電流の絶縁をしたりするためにも樹脂は使われる他、ゴムを使って軽量化を図る部品もあります。こうした部品は小さいもので数ミリという精密な大きさです。 こうした多種多様な自動車部品が一つになって、初めて製品として完成するのです。 試作段階からレベルの高いものが求められる 実際の大きさと多少のサイズ誤差が認められる場合においても、その後の工程を見越して、その差は小さくすることが求められます。また厳しい基準でクライアントから指示が入ることが多いので、実際のサイズは試作段階から非常に精密で小さいものになるのです。試作段階だからといって、手抜かりがあることは許されません。 今回のまとめ 自動車製造は、構造・熱・流体・電磁場・音響・機構・公差・制御・光学・電気など、あらゆる技術を使って作られており、ユニットでの試験・評価を行う場合は、多種多様な部品(歯車、ねじ、熱処理品等)が必要です。そして、使用に耐えられるかだけでなく、他の部品との兼ね合いや、トラブル、不良の可能性に対しての評価も求められるものになります。 取引先や、自動車を購入する方それぞれに満足してもらえるように、試作品を高いレベルで製作することは非常に重要だと言えるでしょう。