試作品製作における3DCADデータ化のメリットと作成パターンの基礎知識

2022/05/09
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試作品製作において、3DCADデータ化には、どんなメリットがあるものでしょうか。また、作成パターンについても詳しく知っておくことが重要です。この記事では、そんな3DCADの基礎知識をお伝えします。試作品製作に3DCADを利用する際の参考にしてみてください。

試作品製作での3DCADデータのメリット

試作品製作に3DCADを導入するメリットは、主に3つです。

1つ目は、試作品製作がしやすくなることです。試作品製作にはかなりの時間と手間がかかります。しかし、3DCADデータ利用により、図面の読み取り、加工方法の検討、加工データの作成といった工程を省くことが可能です。また、粉末造形や光造形をはじめとする様々な造形機により、短い期間で簡単に試作品製作ができるようになります。

2つ目は、試作品製作の前段階における確認、変更作業ができることです。部品の組み合わせ等の確認や変更は、完成後に行うことが多いですが、完成前に行えるようになります。それにより、作業が効率化され、よりクオリティの高い試作品が迅速に作られるようになるでしょう。

3つ目は、情報管理やデータ移行のしやすさです。試作品製作のためには、設計図から様々な情報を得たり、適正な寸法などを計算したりしなければいけません。しかし、3DCADデータにより、設計に必要な情報が管理できるようになり、モデリング管理も簡単になったのです。また、多量生産ができる金型製作にデータ移行することもできるようになりました。

2つのパターンがある3DCADデータ化の方法 

3DCADデータ化の方法として、2つのパターンをご紹介します。

1つ目は、2Dデータから3DCADデータ化する方法です。顧客のデータがigesまたはDXFという2Dデータであれば、それを3DCADデータに変えます。その際に大事なのは、顧客が抱いているイメージを損なわずにデータ化することです。

2つ目は、顧客から預かったAdobe Illustratorのデータを2Dデータに変換して、3DCADに変換するパターンです。顧客によっては手書きのスケッチで頼まれる場合もありますが、そういったものでもあらかじめ、2Dデータから3DCADに変換できます。
こうした変換においては、以下のソフトウェアを利用することも少なくありません。

・Auto CAD
・Product Design & Manufacturing Collection
・Inventor

CADによる3Dモデリングの手順 

以下はCADによる3Dモデリングの大まかな手順です。

1.平面スケッチで輪郭を形成する
2.平面スケッチを立体にする
3.細かい部分を整える

それぞれの手順について解説します。

1.平面スケッチで輪郭を形成する

まずは、2Dの状態で、スケッチを用いて輪郭を形成。または、2DCADで作成したものをスケッチとして、3DCADに取り込むというやり方もあります。

2.平面スケッチを立体にする

最初に作成した平面スケッチを立体に変化させますが、この立体化のことを「フィーチャー」と呼びます。
以下はフィーチャーの形状における呼び名です。

・押し出し:スケッチをストレートに押し出す手順
・スイープ:スケッチの形を変えて押し出す手順
・回転:360度回転させて立体化させる手順
・ブレンド:頂点を合わせて立体化させる手順

3.細かい部分を整える

3Dの立体化を行った後は、細かい部分を整えます。その際には、角を滑らかに変化させるフィレット、角を取る面取りという細かい作業を行い、完成品に仕上げるのです。

今回のまとめ

試作品製作は、3DCADのデータ化によって、例えば製作、確認や変更、情報管理、データの移行などがやりやすくなるといったメリットが得られます。結果として、納品のスピード化を実現することが可能です。
3DCADのデータ化は、2Dデータから3DCADデータ化するパターン、Adobe Illustratorなどを2Dデータ化してから、3DCADにデータ化する2パターンがあります。CADによる3Dモデリングの大まかな手順は、平面スケッチを立体化し、細かいところを作成していくという方法です。これらを参考にして、3DCADデータ化を進めていきましょう。