企業の商品開発において活用されるクラウドファンディングとは 2022/03/30 column 商品開発には多額の資金が必要となります。その際の資金調達には様々な方法が存在しますが、いずれにおいても希望する金額を集めるということは容易ではありません。そういった中で、近年では運用次第で気軽に多くの支援に期待ができるクラウドファンディングが注目されています。今回は、そんなクラウドファンディングの仕組みややり方といった、基本情報に触れて参ります。ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 1.クラウドファンディングとは 2.クラウドファンディングの仕組み 3.企業におけるクラウドファンディングのやり方 4.今回のまとめ クラウドファンディングとは クラウドファンディングは、群衆を意味する「Crowd」と資金調達を意味する「Funding」を合わせた言葉です。つまり、商品開発などの起案者が、多くの人からの支援を受けることを表しています。 なお、これと似た言葉にクラウドコンピューティング(Cloud Computing)というものがありますが、こちらはインターネットにおけるサービス提供の一つの形態であるため、クラウドファンディングとは全く関係ありません。とはいえ、特定のサイトおよびインターネットを利用する点においては同じです。企業が支援を受けるにあたっては特定のサイトを利用し、審査の合格を経てプロジェクトを公開することが大まかな流れとなります。 また、企業の規模や目的を問わず様々な場面で利用することができるほか、支援の形にはいくつかの種類があり、それぞれの状況に適した方法を選べるのも特徴の一つです。 クラウドファンディングの仕組み 前述の通り、クラウドファンディングの支援の形には、いくつかの種類が存在します。そして、支援を受ける仕組みは、それぞれの種類ごとに異なるものとなっているのです。ここでは、クラウドファンディングの種類ごとの仕組みについて見ていきます。 購入型 購入型は、支援者がプロジェクトの起案者に資金提供を行いつつ、商品・サービスを購入する形式のクラウドファンディングです。このため、企業側は資金調達に際して、支援者に対する見返りを用意しなければいけません。なお、あくまで商品等の事前販売となり、金銭的な見返りをする必要はありません。 寄付型 寄付型は、支援者が見返りを求めずに支援を行う形式のクラウドファンディングです。このため、資金調達を終えても、企業側が支援者に対して特別何かを与えるという必要はありません。ただ、支援のお礼として、感謝の意を込めたメッセージなどを送付することが一般的です。 融資型 融資型は、支援者から集めた小口の資金を大口化し、起案者に融資する形式のクラウドファンディングです。このため、企業側は資金の返済が前提となり、支援者に関しては返済に際する利息がリターンとしてもたらされます。 株式投資型 株式投資型は、企業の株式を見返りとして支援を受ける形式のクラウドファンディングです。資金調達と同時に、企業に対する根強いファン・株主を形成できる利点があります。 企業におけるクラウドファンディングのやり方 企業がクラウドファンディングを利用する際のやり方としては、サイトの選定・プロジェクトページの作成・審査・公開・情報拡散といった流れが基本となります。サイトごとにはユーザー数をはじめ、審査の条件やスピード・手数料などが異なるため、それらの点を考慮して自社にあったものを選定すると良いでしょう。プロジェクトページにおいては、あらかじめ計画していたプロジェクト内容を担当者と相談しつつ作成し、その後審査に移行することになります。 なお、審査に要する期間は即日から2週間ほどです。合格次第プロジェクトの公開がなされますが、不合格の場合は訂正したのち再度審査を行う必要があります。もちろん、公開されれば終わりというわけではありません。 目標の支援を受けるためには、それだけの人たちにプロジェクトを知ってもらうことが重要となるため、情報拡散・PR活動を行う必要もあります。最終的に、支援が目標金額に到達すればプロジェクトの実行に移りますが、期間内に達成できなければ次回に繰り越される形になります。 今回のまとめ クラウドファンディングは、多くの人からの支援を受けられるサービスのことで、企業の規模や目的を問わず利用できます。また、様々な形式が存在し、プロジェクトに合った方法での資金調達が可能です。実際に支援を受けるためには、審査の通過や多くの人からの信頼が必要になりますが、商品開発に際する強い味方となることは間違いないでしょう。