日本で発明されたプロダクト「カメラ」のデザインについて 2022/03/25 column 現代で見られるカメラのデザインは、長い歴史を経て形成されたものです。多くの時間とともに、幾度もの進化を遂げて現在の形となっています。そんなカメラの中には、日本で発明され、今や誰もが常に身近な場所に置く画期的なものも存在するのです。今回は、日本で発明されたカメラのデザインとともに、カメラの歴史などについてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。 【目次】 1.カメラの歴史 2.日本で発明されたカメラとデザイン 3.近年のカメラデザインの傾向 4.今回のまとめ カメラの歴史 実像を映し出す概念は、紀元前300年代から存在していたとされています。その思想を持っていた代表的な人物としては、アリストテレスやレオナルド・ダ・ヴィンチが挙げられます。そして、現在のカメラのルーツとなる原理が発見されたのは16世紀頃であり、暗い部屋に開けた穴から外の景色が逆さまに映る「カメラオブスキュラ」という現象がきっかけです。 18世紀になると、ニエプスというフランスの発明家により、レンズと感光板を駆使した世界初の撮影が行われます。ただ、撮影には6〜8時間という現代では考えられない時間を要し、画像も今ほど鮮明なものではなかったようです。 その後、焼き増しを可能とするネガ・ポジ法や露光時間を短縮する方法などが生み出され、1841年になるとオランダ船によって日本にニエプスのダゲレオタイプカメラが伝来します。日本で初めてカメラ撮影が行われたのは同年の6月1日で、現在でも日本写真協会の間では写真の日として語り継がれています。なお、当時の撮影は島津藩主の島津斉彬らによって行われたようです。 以降、カメラの技術は急速に進化していき、1860〜1890年にはカラー写真・乾板・フィルムが登場し、1950年には一眼レフカメラ、1990年にはデジタルカメラが誕生します。 日本で発明されたカメラとデザイン 日本で発明されたカメラとして有名なのは、2000年11月に発売されたカメラ付き携帯「J-SH04」です。シャープが開発を手掛け、携帯電話サービスのSoftBank(当時J-PHONE)が販売した機種になります。カメラ付き携帯として世界で初めて市場に出回り、一世を風靡しました。もちろん、デザインは従来型の携帯電話とデジタルカメラが一体になった形で、背面部に設置されたレンズを通して撮影を行います。背面には鏡も設置されており、自画像の撮影も容易にできる設計となっています。 無論、周囲の撮影では通常のデジタルカメラと同様に、被写体を前面の液晶画面を確認しつつ撮ることが可能です。なお、画素数は約11万となっており、現在のスマートフォンカメラの画素数に比べれば圧倒的に少なくなります。 とはいえ、カメラ機能を有しながら他者と電話やメールのやりとりができ、またカメラ付き携帯の先駆けとなった点で画期的な発明・プロダクトとなったことは間違いありません。 近年のカメラデザインの傾向 近年のカメラは、コンパクトでおしゃれなデザインが主流です。特に、デジタルカメラではその傾向が強く、軽量でカラーバリエーションが豊富なものが多く見受けられます。やはり、スマートフォンのカメラ性能の向上から、持ち運びやすく気軽に撮れるといったコンセプトが前提となってしまうのでしょう。 とはいえ、そういった中でも、画素数やアタッチメントの付け替えなど機能性においては通常のカメラがまだまだ優勢です。 今回のまとめ 今や、当たり前のようにスマートフォンにはカメラが搭載されていますが、その常識的なデザインは日本によって生み出されたものです。様々な人の手によって形成されたカメラがあったからこそ生まれたものですが、これだけ普及したものであれば画期的な発明と言えるでしょう。なにより、デザインにおいても興味深いものだったと思います。スマートフォンや一般的なカメラに限らず、カメラは多種多様な機器・用途で用いられていますので、それらのデザインも改めて確認してみてはいかがでしょうか。