日本と外国のプロダクトデザインの違い 2022/03/24 column ユーザーに魅力を感じてもらえる商品を世に送り出すためには、試行錯誤を重ねたうえでより良いプロダクトデザインを考えることが重要です。そこでチェックしておきたいのは、日本だけでなく海外におけるプロダクトデザインの特徴や傾向です。国内で生み出される商品と海外の商品では、具体的なデザインについてどのような違いがみられるのでしょうか。そこで今回は、プロダクトデザインとは何かという基礎知識を整理したうえで、日本と海外のプロダクトデザインの違いについて解説していきたいと思います。 【目次】 1.プロダクトデザインとは 2.日本製品で見られる傾向・特徴 3.外国製品で見られる傾向・特徴 4.今回のまとめ プロダクトデザインとは はじめにプロダクトデザインについての基礎知識を整理しておきましょう。プロダクトデザインとは、生活用品から家具家電など、さまざまな製品の形や見た目の特徴をデザインすることです。何気なく普段から触れている製品には、商品開発のプロセスの中で必ずプロダクトデザインの行程があり、使いやすさやおしゃれさ、斬新さなどさまざまな点を考慮してデザインが決められています。使いやすいと感じられる商品、おしゃれで魅力的だと感じられる商品には、基本的にユーザーがそのような良さを感じられるようにプロダクトデザイナーによって計算し尽くされているのです。 特に近年は「使えれば良い」ではなく各種製品にはデザイン性の高さが求められているため、プロダクトデザインという工程は売れる商品を開発するうえで決して軽視できない行程といえます。そしてそれに伴って、デザイン・造形スキルの高いプロダクトデザイナーは各業界で重宝されていると考えられます。そのニーズは今後も拡大していくことでしょう。 日本製品で見られる傾向・特徴 日本製品の多くは、外国製品と比較すると情報の多さや機能性など重視したものが多いとされています。それはどのような業界においても、わかりやすさや使いやすさが大事にされる傾向が強いためです。したがって一部の人からは日本のプロダクトデザインには「スタイリッシュさがない」「ダサい」と言われてしまうことも実は少なくありません。しかしこれは前述のとおり重視しているポイントが異なるためであり、誰にでもわかりやすい設計・造形であることが重要とされる傾向があるためです。そのため使いやすさの点では絶賛されることもたくさんあります。 日本は海外と比べるとサービスの水準が全体的に高いため、「ユーザーに寄り添う」という姿勢がプロダクトデザインにも反映されているのだと考えられます。また、色については比較的シンプルで落ち着いたものが多く、逆に派手な色・柄のものは少ない傾向にあります。日本人はシンプルなものを好む傾向が強く、色や柄に奇抜さが感じられるだけで、必要以上に悪いイメージを持たれてしまうリスクが伴うためです。 外国製品で見られる傾向・特徴 日本製品と比べると、外国製品のプロダクトデザインは、比較的デザイン性を重視したものが多いと考えられます。情報のわかりやすさや使いやすさよりも、所有していることで一種のステータスを感じられるスタイリッシュなデザインであること、個性を主張できる特別感あるデザインであることなどが大事にされる傾向があるのです。そのため配色なども少々派手な色を加えたものは、日本よりも多くみられるといえるでしょう。 海外、特に欧米諸国は日本と比べると個人主義の傾向が強く、一人ひとりの個性を出すことを大事にしています。そのような文化・価値観の違いプロダクトデザインにも反映されていると考えられます。 今回のまとめ プロダクトデザインには日本と外国でさまざまな違いがみられるため、それぞれの特徴や傾向をつかみ、ユーザーニーズを効果的に満たせるプロダクトデザインを考えることが大切です。プロダクトデザインは商品の売上に大きくかかわる要素になります。プロダクトデザインの重要性を理解したうえで、魅力的なデザインを生み出すために試行錯誤を重ねていきましょう。