名車を語る中でよく耳にする「カロッツェリア」とは 2022/03/11 column カロッツェリアは、自動車に興味がある人なら一度は聞いたことがあるフレーズのはずです。しかし、名前は知っていても具体的に何を表すのか理解していない人も多いでしょう。そこで今回は、名車を語る中でよく耳にする「カロッツェリアとはなにか」「なぜ語り継がれるのか」といったポイントを紹介していきます。 【目次】 1.カロッツェリアとは 2.代表的なカロッツェリア 3.なぜカロッツェリアが話題に上るのか 4.今回のまとめ カロッツェリアとは そもそもカロッツェリアとはイタリア語で「馬車製造工場」のことを指し、交通手段の主流が馬車だった頃には高級馬車メーカーとして地位を確立してきました。そして現在では自動車の車体を製造・デザインする業者の総称で使われています。交通手段が馬車から自動車に移行してからはカロッツェリアがボディ、自動車メーカーがエンジンなどの内部を製造して組み合わせる手法を取っていました。 カロッツェリアのボディの特徴は優れたセンスと職人の技術で、細部に至るまでデザイン性が高いことです。カロッツェリアは、自動車メーカーによる画一量産体制がメジャーになってからはスポーツモデルやコンセプトカーなどの特殊車両の生産を中心に手がけるようになります。しかし、自動車メーカー各社の競争が激しくなり、コスト削減を強いられるようになると発注コストが高くつくカロッツェリアから自社でのデザイン開発に切り替わり、中心的なカロッツェリアも時代の流れとともに買収や経営縮小に追い込まれています。 代表的なカロッツェリア 「ピニンファリーナ」と「ベルトーネ」はカロッツェリアの中でも有名で知る人も多いです。ピニンファリーナは1930年創業のイタリア最大のカロッツェリアとして、フェラーリ社をはじめとする有名デザインを手がけています。近年では自動車産業にとどまらず、スピーカー・時計・靴など幅広いデザインに関わっています。そしてピニンファリーナに次いで有名なカロッツェリアがベルトーネです。 2度の倒産により、近年では自動車産業からその名は消えてしまいましたが、過去にはランボルギーニ・カウンタックやランボルギーニ・ミウラのデザインを手がけてきました。どちらのカロッツェリアも名門自動車メーカーと共同作品の形で名作と呼ばれるコンセプトカーを世に送り出し、自動車を通じて支持を得てきました。 なぜカロッツェリアが話題に上るのか カロッツェリアが名車を語る際に必ずといっていいほど登場するのには、デザイン工房としての繊細さと技術力が圧倒的だからです。 第二次世界大戦付近から各時代の自動車デザインの最先端を走り続けてきたからこそ、年月が過ぎた今でも語り継がれているのです。自動車の常識を超えたワクワクするデザイン、顧客のニーズを細部まで再現した唯一無二のデザインは現代の量産型自動車のシルエットでは見られないものばかりとなっています。 そのため、自動車好きからは美しさや奇抜さが認められ、デザイナーからはさまざまなデザインのサンプルとして活用されています。 今回のまとめ 今回は名車を語る中でよく耳にする「カロッツェリア」について紹介してきました。カロッツェリアはイタリアの自動車産業を牽引してきたデザイン工房で、見る者を惹きつける画期的なデザインを数多く生み出しています。近年では自動車以外の身の回りの品にもデザインが活用されているケースがあるため、デザイン好きの方は参考にしてみるといいでしょう。気になった方はぜひ画像を検索して、カロッツェリアの匠の技術と優れたデザインを楽しんでみてください。