企業が商品開発を行う際に立てておくべき開発計画とは 2022/03/07 column 開発計画は商品開発プロジェクトにおいて、なくてはならないものです。全体を見渡す力がないと、正しい計画を立てられません。プロジェクトを成功させるには、事前に商品開発の流れや開発計画の重要性を知っておくことが大事です。開発計画の基本情報や、商品開発の流れなどを見ていきましょう。 【目次】 1.開発計画とは何か 2.開発計画の重要性 3.企業における商品開発の流れ 4.今回のまとめ 開発計画とは何か 開発計画とは新しい製品を市場に出すために、構想から商品化までを含めた過程や戦略などの計画を立てることです。製品の開発は新製品を生み出すことだけとは限らず、既存の製品の改良や顧客のニーズを満たすことなどを目的とする場合もあります。 計画の内容は多岐にわたり、市場調査・製品のコンセプト作り・設計・試作品製作・製品デザインの決定・安全性の実験などの複数の項目に分けて考え、日程や予算などの計画を立てなければなりません。チームごとにやらなければならないアクションを明確にして期限を設けることや、プロジェクト全体の流れを可視化することなどが求められます。 開発計画の重要性 商品開発をするにあたって、なぜ開発計画がなければいけないのでしょう。開発計画がないと、行き当たりばったりに進んでいくことになり、製品化に向けて必要な予算や日程を明らかにできません。どんなに優れた商品のアイデアがあったとしても、構想だけで終わってしまえばビジネスとして成り立たず、目標を達成できなくなってしまいます。開発計画があることで製品の構想から製品化に向けて、どの段階で何をしていくべきなのか見通しが立つのです。 しっかりと開発計画を立てて文書化すれば、「製品を市場に出す目的」を開発者全員で共有できます。目的が明確にあると、関連部署や取引先などの協力を得やすくなることも重要なポイントです。開発計画を立てる際に、これまでに作ってきた商品のポートフォリオを見返すと無駄がなくなります。「こういう商品を作りたい」という目的を満たしたものを過去に製造している場合、全く新しい商品を作り出すのではなく、既存の商品の改良や練り直しをすることになります。同じアイデアや部品を使用できる部分があれば、製造費を抑えやすいでしょう。しっかりと開発計画を立てることは、無駄な作業を抑えることにもつながるのです。 企業における商品開発の流れ 一般的な企業の商品開発のおおまかな流れを知ると、具体的にどんな開発計画を立てればいいのかが見えてきます。何を作るかによって多少の違いはありますが、(1)商品コンセプトの開発→(2)マーケティング戦略や予想売上と原価の推定→(3)試作品作り→(4)検証とテスト→(5)製品化→(6)市場への導入という流れで行われることが一般的です。 商品コンセプトの開発では、いくつかのアイデアを出した後ふるいにかけて優れたものを残す作業が必要になります。決定したコンセプトをもとに、市場でのポジショニングやマーケティングの目標などを明確にしていきましょう。 おおまかな予想売上や原価の推定などを、いくつかのパターンに分けて予測を立てます。素材や仕様を決定するために、製品の素材や仕様を決定し実用面の実験や検証などを行うための試作品を作りましょう。試作品をもとに役員の承認が得られれば、製品化に向けて進みます。パッケージデザインなどを最終的に決定し、生産の工程に進む流れです。 最終的には、これまでに研究してきたマーケティング戦略をもとに、市場への導入を行っていくことになります。 今回のまとめ 開発計画を立てると、商品のアイデアを練る段階から製品化までを一つの流れとして管理できるようになります。開発計画がなければ、誰が何をどこまで進めればいいのか分からず、現場が混乱するでしょう。開発計画を立てたら、内容をチームで共有できるように文書化をすることが求められます。文書化に際しては企業によってテンプレートが決まっていることがあるので、商品開発に詳しい上司や先輩などに確認してみましょう。