企業の試作品製作・商品開発における開発費用の目安

2022/03/03
column

試作品の製作は、商品開発をする上で欠かせない工程の一つです。新しい商品のアイデアを目に見える形にしてくれる試作品は、より良いものを生み出すために役立ちます。試作品を製作するにあたって、どれくらいの費用を見ておけばよいのでしょう。商品販売の実現に向けて、知っておきたい試作品製作や開発費用の目安について紹介します。

【目次】
1.試作品製作の流れ
2.試作品製作の費用の目安
3.試作品を外注するコスト面におけるメリット
4.今回のまとめ

試作品製作の流れ

商品開発の一般的な流れは、企画立案・開発設計・製品設計・量産設計・生産・販売・保守となり、試作品の製作は開発設計から量産設計の段階で行われます。開発する商品の意匠やコンセプトなどをもとに、試作品を作っていく流れが一般的で、一つの試作を行うだけでも多くの工程が関わります。
まずは、開発したい商品の手書きのスケッチやアイデアなどを試作品メーカーに持ち込み、打ち合わせを経て加工方法を決め、試作品の製作へと進みます。一度、試作品を製作して終わりではなく、必要があれば、繰り返し試作品を製作することが大半のため、予定よりも多くの費用がかかる可能性もあることを想定しておくと良いでしょう。

試作品製作の費用の目安

一口に商品開発費用といっても、作りたい商品によって費用の目安は変わってきます。試作製作にかかる費用の目安は「50〜150万円程度」とされていますが、試作品に使用する材料や大きさなどによっても変化します。例えば、金属を素材にする場合はプラスチックを使用する場合よりも原材料が高価になるため、必要な費用も多くなるのです。複雑な工程を必要とする試作品も製作日数がかかり、費用がかさみます。
なお、小さな部品程度の試作品であれば数千円で制作できる場合もありますし、大掛かりなものであれば数百万円がかかるケースが珍しくありません。試作メーカーが所有している機械や装置で対応可能なものかどうかという点も、費用に大きく関わってくる部分です。
また、試作メーカー側が繁忙期にある場合、通常よりも多くの費用を請求される可能性があります。できるだけ費用を抑えたいと考えるのであれば、低予算をかなえる材料や工法の提案をしてくれる試作品メーカーを選ぶことがおすすめです。

試作品を外注するコスト面におけるメリット

試作品に使用する材料には膨大な種類があり、最適なものを選び出すためには、素材同士の組み合わせや加工方法を熟知する必要があります。自社に試作品を製造するノウハウがない場合は、最適な材料や製造方法などの知識を身に付けることから始めなければならず、余計な時間や費用がかかってしまいます。
このように、「熟練の職人」を育てるまでの費用や期間を考慮すると、外注の方が費用対効果が高い場合もあります。結果的に、自社で試作品の製作に費やす時間を、他の業務にあてられ、結果的に人件費の削減に繋がります。

今回のまとめ

試作品の製作は、開発設計から量産設計の段階で必要になります。商品のコンセプトやアイデアがまとまったら、スケッチや図面などをもとに試作品を製造しましょう。図面が書けない場合でも、ラフなスケッチから完成図面を制作してくれるメーカーを選べば問題ありません。自社で試作品を製造できる環境にない場合、試作メーカーに依頼すると多くのメリットがあります。クオリティが高い試作品を製造する場合、ノウハウを持った試作メーカーを選ぶことがおすすめです。試作品製作の費用の目安は材料や工法によって異なり、小さな部品なら数千円から、大きなものは数百万円がかかります。詳しい費用を知るには、信頼できる試作メーカーに見積もりを依頼しましょう。