SDGsの達成を考慮したものづくり・試作品製作

2022/02/22
column

国連が定めたSDGsは、日本においても多くの企業が取り組みを行っています。製造業においても、取り組みは不可欠となっており、企業の経営やブランディング、将来などに深く関係しているのです。では具体的に、どのような取り組みを行うと、 SDGsの達成を目指せるようになるのでしょうか。製造業が、ものづくりや試作品製作において考慮すべき点を、今回の記事で考えてみましょう。

【目次】 
1.SDGsと製造業のつながりとは
2.SDGsへの取り組みによるメリットとは
3.今回のまとめ

SDGsと製造業のつながりとは

SDGsは、17の目標から成り立っていますが、製造業とつながりのある目標が多く含まれています。 そのうち、ものづくりの現場と特に関係が深い目標を見てみましょう。

ゴール7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」

ものづくりには、エネルギーの利用が欠かせません。エネルギーの課題として挙げられることが多いのは、地球温暖化や資源の枯渇などです。全ての人々が手軽なコストで利用でき、かつ環境への負担が少ないエネルギーの開発により、持続可能なエネルギーが確保できます。具体的には、工場を稼働させる電力を、太陽光パネルで発電する方法があります。
また、カーボンニュートラルを目指すために、温室効果ガスの排出量が少ない生産設備を導入するのも重要です。

ゴール9「産業と技術革新の基盤を作ろう」

DX(デジタルトランスフォーメーション) を推進するため、IoTやAI、ロボット、3Dプリンターなどを積極的に活用し、持続可能な産業インフラの構築を目指します。近年、試作品製作の現場で増えているのが、3Dプリンターの導入です。従来の工程に比べ、短時間かつ精密に製品の原型が作れるようになりました。
これによって、試作品の廃棄物削減につながり、時間・コスト・資源などの面において、ロスを大幅に減らすことができます。

ゴール12「つくる責任、つかう責任」

持続可能な消費と生産を表しています。産業廃棄物を不法投棄しないのはもちろんのこと、不備があったなどの理由で廃棄した製品をリサイクルする、廃棄ロスを減らす生産体制を整えるなどの取り組みが必要です。
そのためには、在庫管理システムを活用して正確な需要予測を行う、リサイクルしやすい原料を取り入れるなどを実践してみましょう。

SDGsへの取り組みによるメリットとは

製造業の企業が、SDGsに取り組むことで得られるメリットとして、第一に企業のイメージ向上があげられます。SDGsは、社会貢献の意味合いが強いため、社会貢献に取り組む企業としてイメージが上がります。このことで、取引先からの信頼が高まったり、製品に付加価値を加えたりすることができます。
また、省エネ・省資源に対しての意欲が上がり、企業全体のコスト削減も期待できます。 さらに、産業インフラの構築により、働きやすい職場環境が形成され、社員の離職率低下も期待できるのです。

今回のまとめ

SDGsは、大企業が行う取り組みだと思っておられるかも知れません。しかし、日本の企業の大多数は中小企業であり、中小企業が取り組んでこそSDGsの効果が見えてくるのです。社内のゴミを減らす・分別するだけでも、SDGsの一歩と言えます。社会貢献と、企業の利益向上の両方を目指し、できるところから取り組んでみましょう。