コンペにおける試作品・モックアップの評価ポイント

2022/01/26
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コンペにおいて試作品やモックアップを適切に評価することは大切です。評価が十分になされていれば、よりユーザー目線の製品やサービスに近づき、修正の回数も少なくなります。完成形がイメージできるか、使いにくくないかといった点も重要になるでしょう。今回はコンペの際に試作品・モックアップを評価するポイントについて解説していきます。記事を参考にしてコンペをより良いものにしていきましょう。

【目次】 
1.開発側と依頼側のズレがないか
2.使用感は問題ないか
3.コスト面で課題はないか
4.今回のまとめ

開発側と依頼側のズレがないか

試作品が完成する段階では、ターゲットの分析やペルソナ設定、製品イメージなどが共有されていることが多い傾向にあります。しかし、実際に試作品の形になると細かい部分で事前に打ち合わせていた内容とズレが生じてしまうこともあります。製品デザインや色見などがイメージと異なり、改善が必要な場合もあるでしょう。そのためコンペの際には、依頼側の目的や完成イメージと開発側の意図が合致しているかを評価することが大切です。
依頼側が製品に抱く課題解決のイメージを開発側がきちんと理解して製品に反映できているかは評価のポイントになるでしょう。何回も試作を繰り返して完成形に近づけていくことが理想ですが、予算の関係で難しいことも多々あります。1回のコンペで適切な評価をし、ズレをどれだけ解消できるかも重要になります。

使用感は問題ないか

実際に使用するときと同様の形で試作品を使い、違和感なく使えるかどうか確認することも大切です。使用者の目線に立ち、直接触ったり動かしたりすることで利便性や耐久性など、検討段階では見えてこなかった課題が表れることもあります。
1回のコンペで課題を明確にし、具体的な改善点を打ち出すには、準備段階でユーザー行動の仮説を立てておくことも重要です。どのような状況で製品を使用するのか設定を明確にしておき、仮設をもとに行動パターンを分析することでバイアスに気付くことができるでしょう。
また、できるだけ多くのスタッフに試してもらい、意見を集めることも重要です。口頭での意見を集める際は使用感の感想だけでなく、どうしてそのように感じたのかという背景も明らかにしていくと良いでしょう。無意識の使いにくさを言語化することで、実際の製品の改善につながっていきます。
口頭以外にも、評価シートをもとにアンケート調査を行うことで感覚的に伝わりにくい部分を客観視できるメリットもあります。

コスト面で課題はないか

試作品開発で見落としてはいけないのは、予算目標を達成できるかどうかという点です。量産化の方法やマーケティングの手法は試作品段階でも検討しておくべきポイントになるため、目標に応じて素材や製造工程を見直すことで、無理のない予算に収めることができます。
どのような生産方式や人員配置のもとで製品が作られているのかもコンペでは確認しておきましょう。状況によっては新しい工程や手法を導入していくことも大切になります。また、製造コストの比重が大きくかかっている点は見直しておくことが必要です。

今回のまとめ

今回は、コンペにおける試作品やモックアップの評価ポイントについて解説してきました。ユーザー目線や製造コストなどさまざまな角度から適切に評価することで、製品の質も向上していきます。可能な限り、多くの人から意見を収集することも大切です。コンペの際は評価ポイントを明確にして臨むようにしましょう。