カーデザインのトレンドの移り変わりと現代のトレンド

2021/12/20
column

車の好みは千差万別であり、所有者の趣味や趣向が色濃く反映されます。それと同時に、時代ごとのトレンドを大きく示すものでもあります。車の個性を生み出すために、これまであらゆるカーデザインが考案されてきました。日本におけるカーデザインのトレンドは、どのように移り変わり、そして現代のトレンドはどこに注目すべきなのでしょうか。

【目次】 
1.カーデザインの開発は難易度が高い
2.カーデザインのトレンドの移り変わり
3.現代のカーデザインのトレンド
4.今回のまとめ

カーデザインの開発は難易度が高い

数ある工業製品の中で、自動車はデザインに費用がかかり、難易度が最も高いと言われています。これには4つの理由が考えられます。

・新型車を1台開発するのに、車体の骨格を共用しても、およそ200億円かかってしまう
・購入者の趣向に合ったデザインでなければ販売額が伸びず、巨額の損失を招く
・最低でも10年間程度は、商品の特徴を維持しなくてはいけない
・これまでの成功例に似た車は売れず、かといって特徴がない車も売れない

これらの問題をクリアし、 広く受け入れられたカーデザインは、その後に発売される車にも大きな影響を与えているのです。

カーデザインのトレンドの移り変わり

次に、80年代頃から現代までの各年代において、日本国産車のデザインがどのように移り変わったのか、トレンドを振り返ってみましょう。

1980年代

この時代は、先進技術を搭載した車が数多く世に送り出され、自動車業界が活気に溢れていました。例えば1981年に誕生したトヨタ・ソアラは、空力抵抗を意識してボディが作られました。そのうえ、デジタルメーターやLEDタコメーターなど、当時としては最新の技術が搭載されていたのです。
また、同じ年にホンダが発売したシティは、コンパクトな車体に高性能エンジンを搭載した、機能重視の車でした。

1990年代

90年代頃を中心として、RV車の一大ブームが巻き起こりました。RVとは「レクリエーショナル・ヴィークル(Recreational Vehicle)」 の頭文字であり、車の型式に関わらず、娯楽やレジャーに使う車のほとんどがRV車と呼ばれていました。そんな中、1993年にスズキ・ワゴンR が発売され、コストカットによる簡素さが大ヒットの要因となりました。

2000年代

このころになると、日本車の品質が、欧州車の品質と肩を並べるようになりました。と同時に、世界中で環境問題が注目され始め、燃費や排ガスの規制強化が強まりました。2001年に発売されたホンダ・フィットは、国内販売台数で首位を記録したこともあります。

2010年代

環境対応技術に加え、車の機能に運転支援技術が加わるようになりました。 運転支援技術は自動運転につながる技術とされ、この技術を実現させるために、自動車技術だけでなくAIやICTなどの技術導入が進められたのです。代表的な車が、日産・リーフです。

現代のカーデザインのトレンド

2020年代に入り、カーデザインのトレンドは「シームレス」だと言われています。元々シームレスは、途切れ・縫い目・継ぎ目などがないという意味の単語ですが、 車で言うところのシームレスな造形とは、シンプルでスムーズなラインを指しています。さらに、内装やトランスミッションにもシームレスの概念を取り入れ、 特にトランスミッションでは、ギアチェンジの感覚が分からないほど、スムーズなチェンジが可能です。

今回のまとめ

時代ごとのトレンドやニーズの移り変わりにより、カーデザインに求められるニーズも変化します。ニーズに合ったカーデザインを行うには、先々のトレンドをキャッチする好奇心が大切です。