現代のプロダクトにおけるデザインのトレンド

2021/12/17
column

あらゆるプロダクトが次々と生み出される現代では、売上を伸ばすために、機能だけでなくデザインも重視しなくてはいけません。そのためには、時代によって移り変わるトレンドを、デザインに組み込むことが必要です。では、どのように組み込むと、世間に受け入れられるデザインを生み出せるようになるのでしょうか。未来も見据えた上で考えてみましょう。

【目次】 
1.ダイバーシティとインクルージョンが注目されている
2.プロダクトのラインナップも重視すべき
3.注目されているデザインのトレンドとは
4.今回のまとめ

ダイバーシティとインクルージョンが注目されている

日本のみならず、世界各国で、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括)の重要性が注目されています。ダイバーシティは、性別や年齢だけでなく、あらゆる要素を持った人たちの間に存在する違いと定義される用語です。
また、インクルージョンは個々の考え方を認め、活かせるようにする活動を指しています。どちらの言葉も、アメリカの運動から広がったものです。ただ、日本国内に住んでいる人の98%が日本人であることから、日本でダイバーシティとインクルージョンの広がりが遅れていると言わざるを得ません。
日本では、マーケティングを行う際に、性別と年齢だけで区分するケ―スが多いのですが、諸外国ではこの手法はほぼ通じません。できる限り、多くのユーザーのニーズに対応するためには、多種多様な人々が使えるようなデザインを考案することが重要です。

プロダクトのラインナップも重視すべき

製品単体のデザインに加えて、ラインナップを増やすのも重要な取り組みです。機種や用途の違い、パッケージなどに重点を置き、ブランディング戦略のきっかけとします。 ユーザーのターゲットをどのように定めるか、トレンドの傾向で見受けられるユーザーの好みをうまく取り入れるにはどうしたらいいのかなど、マーケティングを行いながらラインナップを検討していきます。

注目されているデザインのトレンドとは

実際に、現在注目されているデザインには、どのようなものがあるのでしょうか。いくつか紹介します。

インフォグラフィック

インフォグラフィックとは、データや情報を可視化できるデザインを指します。元は電車の路線図や道路標識などに用いられるものでしたが、データを広告に活用するためにインフォグラフィックを取り入れ、ユーザーに印象を残す役目を果たします。インフォグラフィックの制作には、情報の整理力や視覚的な表現力が求められます。

伝統工芸と先端テクノロジーの融合

一見繋がりがないように思える、伝統工芸と先端テクノロジーですが、 海外に向けたプロダクトづくりには欠かせない要素とされています。日本国内においても、この2つの組み合わせが新しい造形表現を生み出す可能性に注目が集まっているのです。
京都のある寺院では、伝統工芸の職人が持った仏像を3Dスキャナーで読み込み、そのデータを基に3Dプリンターでミニチュアの仏像を制作しました。でき上がったミニチュア仏像が、なんとドローンに乗ってお堂の中を飛んでいるのです。この光景は、実は仏教の教えと深く結びついており、仏教でいう「臨終来迎」の風景を再現しています。

今回のまとめ

未来にやってくるトレンドは、予測はできても確約はできません。ただ、現在の取り組みによって、トレンドを変えていくことは可能です。一歩先のプロダクトデザインが構築できるように、学ぶ姿勢を常に忘れないようにしましょう。