粉末造形をより際立たせる、「サフ仕上げ」について 2021/10/18 column 粉末造形にツヤや光沢を出し、美しい仕上がりにしたい時に欠かせないのがサフ仕上げです。 粉末造形は、粉末状の樹脂材料にレーザービームなどを照射することで焼結し、一層ずつ硬化させて積み重ねることによって造形する製法です。強度や耐久性、柔軟性の高いものから、人の手では再現するのが難しい緻密なものなど、幅広く造形することができます。 しかし、一層ずつ積み重ねて焼結させる造形方法の為、層ごとに段差が生じ仕上がりは粉っぽくなってしまいます。 そこで今回は、そんな問題を解決してくれる「サフ仕上げ」についてお伝えします。 【目次】 1.サフ仕上げのサフとは「液状のパテ」 2.サフ仕上げの有無で変わってくる差 3.今回のまとめ 1.サフ仕上げのサフとは「液状のパテ」 サフ仕上げのサフとは、サーフェイサーを略した言葉です。文字通りサーフェイス(表面)を整える為の塗料であり、塗装の喰いつきを良くするための下地の役割をした液状のパテの一種です。パテとはキズや凹みによる段差を埋め、元の状態に成形するために使われる補修製品のことを指します。 塗装の喰いつきを良くすること以外にも、製品の表面の質感や色を均一に整え、光を遮断して透けるのを防ぐ役割もあります。また、小さなキズを隠したり消したりすることもできます。 グレーのサーフェイサーに関しては、今まで視認できなかったキズやほこりを見つけやすくする役割もあります。 2.サフ仕上げの有無で変わってくる差 サフ仕上げの有無で、粉末造形の仕上がりに大きな差が生まれます。 サフ仕上げを行わない場合、表面はザラザラとしている為、その上から塗装をしてもツヤや光沢が出ることはありません。 また、製品同士を接着した際にできてしまう隙間などを種類の違うパテで埋めて研磨したとしても、塗装した際にその凸凹した部分に色ムラが出てきてしまうなど、「美しい仕上がり」とは程遠いものになってしまいます。 しかし、サフ仕上げをすることによってザラザラとしていた表面や、隙間を埋めて凸凹していた部分が滑らかになるので、塗装した際に色ムラが出る事も無く、ツヤや光沢を出すことができます。 サフ仕上げをすることにより、仕上がり方は大きく変わり、その差は一目瞭然です。 今回のまとめ 粉末造形で緻密なものを造形したとしても、表面がザラザラとしていたり、色ムラがあったりすると、その良さも半減してしまいます。 しかしサフ仕上げをすることで、ツヤや光沢のある美しい製品へと変わります。 粉末造形をより一層際立たせる為に「サフ仕上げ」は仕上げに欠かせない手法です。