モノづくりにおける「治具」の活用性 2021/10/04 column 治具とは、加工や組み立ての際、部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具の総称です。 英語で「jig」の意味がそれに当たり、その「jig」に漢字を当てたものです。 そこで今回は、「治具」の活用性についてお伝えします。 【目次】 1.治具の主な役割 2.治具のメリット 3.治具のデメリット 4.今回のまとめ 治具の主な役割 治具は、品物の固定、機械装置などの組み立ての際や検査測定にも、精密治具を中心に様々な用途で使われています。人間の手ではどうしても正確な位置に加工物を固定することはできませんが、治具を用いて作業位置を誘導することで正確性と効率が上がり、作業スピードが早くなります。 このように治具には、作業をする際にガイドのような役割があり、モノづくりをする上で欠かせないアイテムとなっています。 治具のメリット 治具を用いるメリットとして、以下が挙げられます。 ・生産速度の向上 ・品質と精度の向上、均一化 ・難しい加工と作業の簡易化 ・人的ミスの減少 治具を用いることによって、不良の発生が軽減され、加工工数を最小に抑えることでコストダウンはもちろん、生産性や精度を向上させることができます。 治具を使って位置決めをするため、いつも同じ位置に加工物を設置できるので、精度を均一化することができます。ミスなく迅速に作業をしなければならないときは、治具を用いることで作業効率を損なわないまま、高品質の製品を作り上げることができます。 治具のデメリット しかし上記で挙げたメリットとは逆に、治具は多くの場合、部品・製品ごとに用意しなければならないため、小ロットの製品では治具の製作費用自体が負担となり、コストアップに繋がる場合もあります。 また、製造する製品が多ければ大量の治具を管理する手間が発生するので注意が必要です。 今回のまとめ 治具は、加工物の作業をする際にとても重要な役割を持っています。治具を用いることで作業速度の向上、品質と精度の向上・均一化、コストダウンなど様々なメリットが挙げられます。 一方で、小ロット製品の場合だと治具製作費用自体が負担となり、逆にコストアップに繋がるなどのデメリットもあります。 モノづくりをする上で欠かせないアイテムですが、メリット・デメリットの両方を踏まえた上で治具の活用を検討することにより、治具本来の役割を十分に発揮できます。