試作品・モックアップ製作で検査・測定を行うことの重要性 2021/09/09 column 製品開発を行う際は、デザイン性や機能性、性能などを高めて売上向上を目指すことも大切ですが、大前提として、製品の安全性を確保する必要があります。安全性を確認しないまま製品を販売してしまい、使用者に何らかの損害あれば損害賠償責任を追求される可能性があるため、試作品やモックアップ製作の段階でしっかり検査や測定を行う必要があります。 そこで今回は、試作品・モックアップ製作で検査・測定を行うことの重要性についてお伝えします。 【目次】 1.製品開発を行う上で考慮すべき製造物責任法とは 2.試作品・モックアップ制作ではパーツ同士の少しのズレが全体のズレに繋がります 3.試作品・モックアップの検査や測定を行う際に使用される測定器 4.今回のまとめ 製品開発を行う上で考慮すべき製造物責任法とは 製造物責任法とは、製造物の欠陥が原因で消費者の生命や身体、財産に損害が生じた場合に製造業者等に損害賠償責任が発生する法律です。食品や工業製品は製造物責任法の対象に含まれるため、製造物責任法に則って安全性を確保する必要があります。(物として実態のないサービスなどは製造物責任法の対象に含まれません。)なお、製造物責任法は、製品自体に問題があった場合や、製品の製造段階で不備があった場合、パッケージや説明書などへの製品の危険性に関する記載が不十分な場合などに適応されます。 上述したとおり、製品を開発する上では使用上の安全性に関して十分に配慮する必要があり、試作品・モックアップ製作で検査や測定を行いながら一定の安全性を確保することが大前提です。試作品製作を外注する際は、しっかりと検査や測定を行って製品の品質を高めることができる業者を選定することが大切です。 試作品・モックアップ制作ではパーツ同士の少しのズレが全体のズレに繋がります 試作品やモックアップの製作時は、パーツや部品同士を組み立てて一つのものとして完成させることもあります。 組み立て時、パーツ一つ一つの寸法や形状にズレがある場合は、たとえ少しのズレであっても全体の精度低下に繋がってしまいます。そもそもパーツ同士が組み合わないという事態を防ぐためにも、試作品やモックアップのパーツ一つ一つをしっかり検査・測定しながら微調整を重ねることが大切です。 試作品・モックアップの検査や測定を行う際に使用される測定器 試作品の寸法や形状を確認する際、人間の目視での確認では限界があるため、測定器を使用してより精密に検査や測定を行います。寸法測定にはノギスやマイクロメータなどくちばしの付いた定規に物をはさんで測定するアナログな方法もありますが、より精密な測定を行う場合は機械で測定を行う場合がほとんどです。測定器には、物に光を当てて基準線と影の境目を測定する「測定顕微鏡」や、加工面の状態を測定する「粗さ計」、コンピュータ数値制御によって高精度な計測を行う非接触型の「CNC画像測定器」、物の輪郭の角度や段差などを測定する「輪郭形状測定機」、物の形状を立体的に測定する「三次元測定機」などが用いられます。測定物の大きさや形状などに応じて使い分けながら、検査や測定が行われます。 今回のまとめ 製品開発時には、製造物責任法に則って製品の安全性に関して十分に配慮する必要があり、試作品・モックアップ製作時は検査や測定を行いながら一定の安全性を確保することが大前提です。試作品製作を外注する際は、しっかりと検査や測定を行って製品の品質を高めることができる業者を選定することが大切です。 また、試作品やモックアップの製作時は、パーツや部品同士を組み立てて一つのものとして完成させることもあり、パーツ一つ一つの寸法や形状にズレがないようしっかり検査や測定を行うことが大切です。なお、試作品の寸法や形状を確認する際、人間の目視での確認では限界があるため、測定器を使用してより精密に検査や測定を行います。