作る前におさえておきたい試作品製作におけるシボ加工の種類について 2025/03/10 個人・中小企業向け 「これからシボ加工を導入しよう」と思っていても、種類が多くてどれを導入したら良いか分からない方も多いのではないでしょうか。 ここでは、シボ加工の代表的なエッチングをはじめ、さまざまなシボ加工の種類について解説します。 【目次】 1.試作品製作のシボ加工は化学処理であるエッチングが代表的 2.研磨剤によるイエプコ処理などのブラスト加工もある 3.放電加工などの機械加工もシボ加工の種類の一つ 4.今回のまとめ 試作品製作のシボ加工は化学処理であるエッチングが代表的 試作製品のシボ加工は化学処理であるエッチングが代表的です。エッチングとは、主に金属やガラス・半導体を対象とします。酸やアルカリ、イオンの腐食性を利用して表面を一部削ることで、目的の形状を得る表面加工法です。 材料の一部を取り除くことで目的の形状を得る加工法には切削や研削などがありますが、エッチングは、それらよりも少ない除去量で精度良く加工を行いたい場合によく用いられる方法です。エッチングには以下の6種類があります。 ・ウェットエッチング ・ドライエッチング ・等方性エッチング ・異方性エッチング ・等方向性エッチング ・方向性(垂直性)エッチング 研磨剤によるイエプコ処理などのブラスト加工もある イエプコ処理とは、ブラストを超えたマイクロブラスト装置で、特殊な処理材を2工程に分けて吹き付けるだけで離型性が格段に良くなります。マスキングが不要なので短時間で加工できるだけでなく、特殊な滑り材を用いたピーリング処理のおかげで離型性を高め、磨き処理・かじりを大幅に減らし、品質向上と費用削減に役立ちます。できることは以下の5つです。 ・離型性の改善 ・手磨きレス ・バリの除去 ・汚れの付着を軽減 ・ツールの寿命を延ばす 放電加工などの機械加工もシボ加工の種類の一つ 放電加工と機械加工もシボ加工の種類の1つです。ここからはそれぞれについて解説していきます。 放電加工 放電加工は除去加工でありながら、切削加工や研削加工などとは一味違う加工方法で、熱エネルギーを利用する方法。時間がかかりますが、電気を通す素材であれば、すべて加工できる便利な方法です。 放電加工を利用するメリットは以下の4つです。 ・素材の硬さに関係なく加工できる ・複雑な形状でも高精度に加工ができる ・工作物への負担が少ない ・切削では難しい形状の加工ができる 一方で、デメリットは以下の4つです。 ・加工にかかる時間が長い ・コストがかかる ・電気を通さない素材の加工はできない ・加工後の表面が梨地状になる また、放電加工には「ワイヤー放電加工」と「形彫放電加工」の2種類があり、それぞれに違った強みがあります。 機械加工 機械加工とは、設計した製図に基づき切削やプレスなどを行う方法です。機械加工を行うことで、鋼材を目的の部品に仕上げることが可能になります。機械加工には単に工作機械を扱うだけではなく、部品図を理解し必要な鋼材や道具を準備することも含まれます。 機械加工を利用するメリットは以下の4つです。 ・低コストかつ早い時間で仕上げられる ・高精度の製品が作れる ・自由な形状の加工に対応できる ・多様な材料にも対応できる 一方で、デメリットには以下の3つがあります。 ・大量生産の場合はコストがかかってしまう ・同じものを作る難易度が高い ・作業者の技術に依存しなければならない 今回のまとめ 今回は、シボ加工のさまざまな種類について解説しました。どの種類の加工をするかによって、試作品の出来やそれまでの過程にかかる費用が異なります。そのため、最も適している方法はどれなのかを慎重に検討する必要があると言えるでしょう。