試作品・モックアップ製作で加工工数を検討することの重要性 2021/09/07 column ものづくりで試作品やモックアップ製作を行う際は、設計図や使用する材料など様々なことを検討する必要があります。同時に、工作物に応じて様々な工法から予算や納期、品質などに応じて最適な工法を選ぶことが大切です。 そこで今回は、試作品・モックアップ製作で加工工数を検討することの重要性についてお伝えします。 【目次】 1.試作品・モックアップ製作では時間・コスト・精度の観点から加工工数を検討しましょう 2.試作品・モックアップを製作するための工法の種類と工数 a. NC加工 b. 粉末造形(3Dプリンター) c. 真空注型 d. 真空成形 3.今回のまとめ 試作品・モックアップ製作では時間・コスト・精度の観点から加工工数を検討しましょう ものづくりにおいては、例えば3Dプリンターでデータから1工程で造形することもできれば、NC工作機械で工具を入れ替えながら数工程で造形する必要がある場合もあります。加工工数が多ければ時間やコストがかかりますが、それだけ精度の高い造形を行うことができるため、時間とコストと精度を考慮した上で最適な加工工数を検討することが大切です。 なお、製品の量産時も同様に、加工工数が多くなるほど時間やコストが発生します。量産の場合は、例え少しの差でも一つ一つ積み重ねると大きな差が生じるため、生産効率を高めるためにも最適な加工工数を検討することが重要です。 試作品・モックアップを製作するための工法の種類と工数 試作品やモックアップを製作する際は、NC加工や積層造形(3Dプリンター)、真空注型、真空成形などの工法が用いられます。加工する物の形状によってそれぞれ得意不得意があり、目的に応じて工法を選択することでより迅速に加工を行うことができます。また、複数の工法を組み合わせたり、人の手作業で加工する方が迅速に対応できる場合もあるため、工作物によって都度工法を検討することが大切です。 NC加工 NC加工は、樹脂や金属などの材料の塊の不要な部分を削って加工を行います。工程としては、設計図を作成した上で予め加工プログラムを作成する必要がありますが、一度プログラムを作ってしまえば複雑な加工も高精度で行うことができます。そのため、量産の技術としても用いられる工法です。 積層造形(3Dプリンター) 積層造形は、3Dプリンターを用いて3Dデータから立体物を造形します。積層造形の中には、粉末造形や光造形など様々な種類があり、3Dプリンター用の3Dデータを作成した後、直接造形を始めることができます。少ない工程で内部構造まで迅速に再現することができます。 真空注型 注型は、減圧された真空槽の中で型に材料を流し込んで大気圧に戻すことで生まれる力を利用して隅々まで材料を行き渡らせて立体物を成形します。型を作る工程がありますが、一度型を作ってしまえば複数個の成形を行うこともできます。 真空成形 真空成形は、減圧された真空槽の中でシート状の材料を軟化させ、型の形状で冷却することにより成形します。型を作る工程がありますが、一度型を作ってしまえば複数個の成形を行うこともできます。 今回のまとめ 試作品やモックアップを製作する際は、NC加工や積層造形(3Dプリンター)、真空注型、真空成形などの工法が用いられ、加工する物の形状によってそれぞれ得意不得意があり、工数が異なります。加工工数が多ければ多いほど時間やコストがかかりますが、それだけ精度の高い造形を行うことができるため、時間とコストと精度を考慮した上で最適な加工工数を検討することが大切です。目的に応じて工法を選択することはもちろん、複数の工法を組み合わせたり、人の手作業で加工する方が迅速に対応できる場合もあるため、工作物によって都度工法を検討しましょう。