試作品・モックアップ製作における「NC加工」とは 2021/09/02 column 試作品やモックアップ製作の際には、切削加工や粉末造形、光造形、注型、成形など様々な技術が用いられます。その中の切削工程では、現在、NC加工機という機械を用いた造形が主として用いられており、高精度なものをより効率的に製作することができるようになりました。 そこで今回は、試作品・モックアップ製作における「NC加工」についてお伝えします。 【目次】 1.試作品・モックアップ製作技術「NC加工」の概要 2.試作品・モックアップ製作技術「NC加工」で使用される機械 3.試作品・モックアップ製作における光造形のメリットとデメリット 4.今回のまとめ 試作品・モックアップ製作技術「NC加工」の概要 NC加工のNCは、「Numerical Control」の略であり日本語に訳すると「数値制御」という意味を持ちます。NC加工とは、主にモノづくりにおける精密加工の分野で用いられる工法であり、プログラムで機械を制御して加工を行います。ハンドルを手作業で操作しながら加工するのではなく、NCプログラムに基づいて自動的に加工されるため、精密な加工を行うことに適しています。 なお、NCプログラムは、CAMというコンピュータソフトウェアで作成することが多いですが、NC工作機械に備え付けられている制御装置でプログラムの入力や編集を行うこともできます。 試作品・モックアップ製作技術「NC加工」で使用される機械 NC工作機械は、NC旋盤やNCフライス盤など様々な種類があり、それぞれの加工工程に応じて機械を使い分けます。例えば、NC旋盤では、固定した工具を回転させた工作物を当てることによって円筒状のものの削り出しや穴あけなどを行うことができ、フライス加工では固定した工作物に回転させた工具を当てることによって平面や溝などを加工することができます。 また、NC工作機械の中には、中ぐりやフライス加工、穴あけなどの多種類の加工を一つの機械で行うことができる「マシニングセンタ」、複数の旋盤技術を併せ持つ「ターニングセンタ」などがあり、より複雑な加工を行うことに適しています。 試作品・モックアップ製作技術「NC加工」のメリット・デメリット NC加工は、NCプログラムによって精密な加工を行うことができるため、職人の腕や操作ミスによって精度が左右される心配がなく、職人が機械に巻き込まれる事故を防ぐことができます。また、複雑な加工も高精度かつ迅速に対応することができ、試作においては、量産前段階の性能検討用モデルなどの製作に適しています。 しかし、簡単な加工であれば手作業によるハンドル操作の方が早い場合もあるため、現在でも全ての切削加工がNCプログラムで制御されているわけではありません。また、加工プログラムの作成を行う必要があるため、一つの加工を行い始める際に時間や労力を要します。 今回のまとめ NC加工とは、主にモノづくりにおける精密加工の分野で用いられる工法であり、プログラムで機械を制御して加工を行います。ハンドルを手作業で操作しながら加工するのではなく、NCプログラムに基づいて自動的に加工されるため、精密な加工を行うことに適しています。NC工作機械は、NC旋盤やNCフライス盤、マシニングセンタ、ターニングセンタなど様々な種類があり、それぞれの加工工程に応じて機械を使い分けます。 また、NC加工は、職人の腕や操作ミスによって精度が左右される心配がなく、職人が機械に巻き込まれる事故を防ぐことができます。また、複雑な加工も高精度かつ迅速に対応することができ、試作においては、量産前段階の性能検討用モデルなどの製作に適しています。しかし、簡単な加工であれば手作業によるハンドル操作の方が早い場合もあるため、工作物に応じて使い分けることが大切です。