試作品・モックアップ製作における「光造形」とは

2021/09/01
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製品の開発を行うために試作品・モックアップを製作するにあたり、製作する物の形状や予算、納期などに応じて様々な造形・成形・加工方法の中から最適な方法を検討します。数ある工法の中でも、「光造形」は3Dプリンターを活用した技術の元祖であり、試作品製作において多く用いられている工法です。
そこで今回は、試作品・モックアップ製作における「粉末造形」についてお伝えします。

【目次】
1.試作品・モックアップ製作で用いられる光造形の発明
2.試作品・モックアップ製作で用いられる光造形で用いられる機械と技術
3.試作品・モックアップ製作における光造形のメリットとデメリット
4.今回のまとめ

試作品・モックアップ製作で用いられる光造形の発明

試作品・モックアップ製作において活用される光造形は、名古屋市工業研究所の研究者・小玉秀男氏によって発明され、1980年に「立体図形作成装置」として特許が出願されます。その後、3Dプリンターメーカー「3Dsystems」の創業者であるチャック・ハル氏が光造形技術の米国特許を出願し、1987年に世界初の商用3Dプリンタが販売されます。3Dプリンターの技術は、光造形の技術を前身として粉末造形や材料押出法、シート積層法など様々な技術が開発され、現在も発展し続けています。

試作品・モックアップ製作で用いられる光造形で用いられる機械と技術

試作品・モックアップ製作において活用される光造形は、3Dプリンター技術の一つの工法であり、液体状の光硬化性樹脂をプールに入れ、レーザービームで照射することで一層一層硬化させながら立体物を造形します。プールの上から光を当てて硬化後にステージを一層分下げる「自由液面法」と、プールの下から光を当てて硬化後にステージを一層分上げる「規制液面法」など、光造形法の中にも種類があります。
他の3Dプリンターの技術である粉末造形や材料押出法、シート積層法などと異なる点は、紫外線を当てると硬化する液体の光硬化性樹脂を使用する点です。光硬化性樹脂には、透明で亀裂が発生しづらい「透明高靭性樹脂」や耐熱性の高い「透明耐熱樹脂」、環境や人体への安全性が高い「アンチモンフリー」などの種類があります。

試作品・モックアップ製作における光造形のメリットとデメリット

光造形は、上述したとおり液体状の光硬化性樹脂を使用するため、粉末状の材料を使用する粉末造形などと比べて造形の精度が高く、複雑な形状の造形を迅速に行うこと適しています。また、透明な造形物を3Dプリンターで実現できるというメリットがあります。
しかし、光硬化性樹脂は直射日光が当たることで劣化するため、時間が経つにつれ変形や破損のリスクが高まり、強度が保てないというデメリットがあります。

今回のまとめ

試作品・モックアップ製作において活用される光造形は、名古屋市工業研究所の研究者・小玉秀男氏によって発明された技術で、3Dプリンター技術の中の一つの工法です。液体状の光硬化性樹脂をプールに入れ、レーザービームで照射することで一層一層硬化させながら立体物を造形します。
他の3Dプリンターの技術である粉末造形や材料押出法、シート積層法などと異なる点は、紫外線を当てると硬化する液体の光硬化性樹脂を使用する点で、粉末造形などと比べて造形の精度が高く、複雑な形状を迅速に製作することに適しています。また、透明な造形物を3Dプリンターで実現できるというメリットがあります。しかし、光硬化性樹脂は直射日光が当たることで劣化するため、時間が経つにつれ変形や破損のリスクが高まり、強度が保てないというデメリットがあります。