試作品・モックアップ製作で使用される主な材料 2021/08/31 column 製品の企画開発を行う際は、試作品やモックアップ、デザインモデル、性能検討用モデルなどを目的に応じて製作することが一般的です。製作時に使用する材料によって加工方法が異なり、コストや納期にまで関わるため、試作品に使用する材料について把握しておくことが大切です。 そこで今回は、試作品・モックアップ製作で使用される主な材料についてお伝えします。 【目次】 1.試作品・モックアップで用いられる材料の種類 2.試作品・モックアップ製作で用いられる金属材料 3.試作品・モックアップ製作で用いられる非金属材料 a. 熱可塑性樹脂 b. 熱硬化性樹脂 4.今回のまとめ 試作品・モックアップで用いられる材料の種類 試作品・モックアップ製作で使用される材料は「金属材料」「非金属材料」「特殊材料」に分けられます。 金属材料としては、炭素鋼などの鉄鋼材料と、アルミニウムやチタン、マグネシウム、銅などの非鉄金属材料が含まれます。また、非金属材料としては、樹脂(プラスチック)やガラス、セラミック、ゴムなどの材料が含まれます。さらに、特殊材料としては、複数の材料が組み合わさった複合材料やメーカーが独自開発した機能材料などが含まれます。 試作品・モックアップ製作で用いられる金属材料 金属材料には様々な種類がありますが、強度や耐久性、耐熱性、重量などにおいてそれぞれ違いがあります。 炭素鋼やステンレスなどの鉄鋼材料は、金属材料の中でも強度に優れており、建物や自動車、鉄道、家電、食器など幅広い物に使用されています。アルミニウムやチタン、マグネシウム、銅、などの非鉄金属材料は、鉄と比べて重量が軽いことが大きな特徴であり、加工性や熱・電気伝導率が高く錆びづらいため、精密機械に多く用いられています。また、複数の金属を組み合わせて作られる合金は、単一の金属材料よりも強度や耐熱性などが高く、試作品製作や実際の製品において多く使用されています。 試作品・モックアップ製作で用いられる非金属材料 非金属材料は、樹脂(プラスチック)やセラミック、ゴム、ガラスなどの材料を指し、簡易モデルから実際の製品まで幅広くモノづくりに活用されています。 また、樹脂材料(プラスチック)は、熱で形状が変化し何度でも成形することができる「熱可塑性樹脂」と一度加熱して変形させると成形後は変形しない「熱硬化性樹脂」に分けられ、試作品製作において多く用いられています。 熱可塑性樹脂 熱可塑性樹脂としては、フィルムや容器などに使用されるポリエチレン、自動車部品や家電などに使用されるABS、ホースやパイプなどに使用される塩化ビニルなどが挙げられます。熱硬化性樹脂と比べて成形が簡単なため、幅広い製品に使用することができます。 熱硬化性樹脂 熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂塗料やフェノール樹脂などが挙げられ、接着剤やコーティング塗料などとして使用することに適しています。主に電化製品や電子機器の基盤、メモリ、半導体、ディスプレイなどに多く使用されています。 今回のまとめ 試作品・モックアップ製作で使用される材料は「金属材料」「非金属材料」「特殊材料」に分けられます。 金属材料の中でも、鉄鋼材料は強度に優れており、建物や自動車、鉄道、家電、食器など幅広い物に使用されています。アルミニウムやチタン、マグネシウム、銅、などの非鉄金属材料は、鉄と比べて重量が軽いことが大きな特徴であり、加工性や熱・電気伝導率が高くて錆びづらいため、精密機械に多く用いられています。 また、非金属材料には、樹脂(プラスチック)やガラス、セラミック、ゴムなどの金属以外の材料が含まれます。その中の樹脂(プラスチック)は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分けられ、フィルムや容器、自動車部品、ホース、塗料、接着剤などそれぞれ特性に応じて使い分けられています。