試作品・モックアップ製作における「切削加工」とは 2021/08/06 column 試作品・モックアップ製作においては、製作する目的や納期、コストなどに応じて様々な加工方法の中から最適な方法を検討します。数ある加工方法の中でも、「切削加工」は古くから用いられてきた加工方法であり、現在でも多くの製造現場において活用されています。 そこで今回は、試作品・モックアップ製作における「切削加工」についてお伝えします。 【目次】 1.試作品・モックアップ製作における切削加工で用いられる機械 2.試作品・モックアップ製作における切削加工のメリット 3.試作品・モックアップ製作における切削加工のデメリット 4.今回のまとめ 試作品・モックアップ製作における切削加工で用いられる機械 試作品・モックアップ製作における切削加工とは、材料の塊を削り出して造形する加工方法で、工作機械を用いて加工することが一般的です。工作機械には様々な種類がありますが、一般的に多く用いられている機械としては、材料を回転させて切削工具を押し当てて削り出す「旋盤」、回転する刃物を材料に押し当てて削り出す「フライス盤」、材料に押し当てて穴を開ける「ボール盤」、材料を歯車状に切削する「歯切り盤」、フライス盤やボール盤、歯切り盤などの複数種類の加工を連続して行える「マシニングセンタ」、旋盤とマシニングセンタの機能を併せ持った「複合加工機」などが挙げられます。 加工する物の形状や機能などに応じ、これらの機械を使い分けることが一般的です。 試作品・モックアップ製作における切削加工のメリット 切削加工では、予め入力した数値によるプログラム(NCプログラム)で機械を自動的に稼働させるため、作業者ごとの精度の差がなく、コンマ1ミリ単位の精密な製作に適しています。また、鉄やステンレス、銅、真鍮、アルミなどの金属や樹脂、木材などの様々な材料を加工することができ、複雑な形状も高精度で加工することができます。さらに、加工するための金型などが必要ないため、図面データやNCプログラムだけで加工を行うことができます。 試作品・モックアップ製作における切削加工のデメリット 切削加工は、素材の塊を削り出して造形するため、比較的多くの時間を要し、材料費が割高になる傾向があります。製作する物の形状が複雑になると、多くの刃物や機械を使い分ける必要があるため、さらに多くの時間とコストを要する場合があります。 また、材料によって刃物や加工方法との相性があり、最適な刃物や加工方法で製作しなければ精度が落ちる可能性があるため、切削加工での試作品製作を依頼する場合は、業者の得意分野をしっかり確かめておくことが大切です。 今回のまとめ 試作品・モックアップ製作における切削加工とは、材料の塊を削り出して造形する加工方法で、工作機械を用いて加工することが一般的です。工作機械には様々な種類があり、加工する物の形状や機能などに応じて機械を使い分けられます。 切削加工では、作業者ごとの精度に差がなく、コンマ1ミリ単位の精密な製作に適しています。また、鉄やステンレス、銅、真鍮、アルミなどの金属や樹脂、木材などの様々な材料を加工することができ、複雑な形状も高精度で加工することができます。しかし、切削加工は、素材の塊を削り出して造形するため、比較的多くの時間を要し、材料費が割高になる傾向があります。製作する物の形状が複雑になると、多くの刃物や機械を使い分ける必要があるため、さらに多くの時間とコストを要する場合があります。