試作品・モックアップ製作では用途や目的に応じた素材を選びましょう 2021/08/05 column 試作品・モックアップ製作においては、ウレタンや発泡剤、ケミカルウッド、ABS、アクリル、金属、樹脂など様々な素材を使用します。どのような素材を使用するかによって見た目や機能性、使用感、製作コストが異なるため、用途や目的に応じた素材を選ぶことが大切です。 そこで今回は、試作品・モックアップ製作における用途や目的に応じた素材選びについてお伝えします。 【目次】 1.試作品・モックアップ製作時のコストを抑えたい場合に検討する素材 2.試作品・モックアップを短納期で製作したい場合に検討する素材/a> 3.試作品・モックアップの性能を検討したい場合に検討する素材 4.展示会でデザインを魅せたい場合に検討する素材 5.試作品・モックアップを複数製作したい場合に検討する素材 6.今回のまとめ 試作品・モックアップ製作時のコストを抑えたい場合に検討する素材 精度よりもコストを重視して試作品・モックアップを製作する場合は、発泡スチロールやウレタンなどの安価な素材を使用します。発泡スチロールやウレタンは、耐久性や耐熱性などが低いため、アイデア初期段階のモデルや、おおよその機能だけを検討する原理モデルなど、開発初期段階で使用することがあります。 試作品・モックアップを短納期で製作したい場合に検討する素材 試作品・モックアップを短納期で製作する場合は、3Dプリンタを使用して造形することがあり、粉末状のナイロン樹脂などを使用します。3Dプリンタで使用される粉末状のナイロン樹脂は、熱を加えることによって硬化し、複雑な形状や構造、細いパーツなども迅速に造形することができます。 試作品・モックアップの性能を検討したい場合に検討する素材 試作品・モックアップで実際の使用感を検討したい場合は、使用する目的に応じてケミカルウッド、ABS、金属などの素材を使用します。 ケミカルウッドは合成木材とも呼ばれ、加工性や均一性が高い性質を持っているため、検査治具や検証用試作モデルの製作に適しています。ABSとは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの3種類の素材を組み合わせた樹脂のことを指し、強度や耐性、衝撃耐性、加工性が高いため製品としての性能などを検討することに適しています。金属の素材は、ネジやボルト、ナットなどの工業用部品や金属製品などにおける性能などを検証することに適しています。 展示会で見た目を魅せたい場合に検討する素材 展示用モデルやデザインモデルなど物の形状や表面の滑らかさなどを重視して製作する場合は、ケミカルウッドやABSなどの素材を使用します。 ケミカルウッドは、デザイン検討用ハードモデルの製作に適しています。ABSは、美しい光沢があるプラスチック素材で、表面の美しさを高めたい場合に適しています。 試作品・モックアップを複数製作したい場合に検討する素材 試作品・モックアップのカラーリングや予備を作るために複数個製作する場合は、材料を形に流し込んで整形する注型という技術を用いることがあります。注型では、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂、シリコンゴムなどの素材を使用します。 ウレタン樹脂やエポキシ樹脂、シリコンゴムなどの素材は、弾力性があるため薄肉の試作品も細部まで忠実に再現することができます。 今回のまとめ 精度よりもコストを重視して試作品・モックアップを製作する場合は、発泡スチロールやウレタンなどの安価な素材を使用し、短納期で製作する場合は、3Dプリンタを使用して造形することがあり、粉末状のナイロン樹脂などを使用します。実際の使用感の検討や見た目の美しさなどを重視する場合は、ケミカルウッド、ABS、金属などの素材を使用し、カラーリングや予備を作るために複数個製作する場合は、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂、シリコンゴムなどの素材を使用するなど、製作する目的に応じて素材が異なります。