試作品・モックアップ製作に欠かせない3Dデータ化の方法 2021/08/02 column 試作品やモックアップは、造形物の形状を起こした設計図を用いて製作を行います。かつては2次元図面で設計が行われていましたが、現在では3Dデータが用いられることが一般的であり、3Dデータ化するための技術は日々発展し続けています。 そこで今回は、試作品・モックアップ製作に欠かせない 3Dデータ化の方法についてお伝えします。 【目次】 1.試作品・モックアップ製作時に活用するCADでの3Dデータ化 2.3Dスキャン(リバースエンジニアリング)による3Dデータ化 3.試作品・モックアップ製作時に活用される3Dプリンタ用のデータ作成 4.今回のまとめ 試作品・モックアップ製作時に活用するCADでの3Dデータ化 ものづくりを行う際は、CADという設計ツールを用いて設計することが一般的です。CADとは、パソコンで工業製品を設計する際に使用されるソフトウェアで、2Dデータを作成するソフトウェアを2D-CAD、3Dデータを作成するソフトウェアを3D-CADといいます。 試作品・モックアップ製作時には、アイデア初期段階の手書きのラフスケッチから3D-CADを活用して3Dデータを作成します。3D-CADでは、立体物を回転・拡大しながら細かな設計を行うことが可能です。また、3D-CADでは、部品同士の干渉チェックや体積・重量などの検証まで行うことができ、様々なことを考慮しながら3Dデータを作成することが可能です。 3Dスキャン(リバースエンジニアリング)による3Dデータ化 上述したとおり、試作品・モックアップ製作時には3D-CADを用いて設計を行うことが一般的ですが、最近では、既存のものを複製する技術が発展してきました。3Dスキャナでデータを取り込むことより、実物の造形物を3Dデジタルデータとして複製することができ、この3Dスキャンの技術を活用して文化財の保存が行われている例もあります。 また、ものづくりの分野において既存の物の形状を測定して3Dデータを作成することを「リバースエンジニアリング」といいます。商品開発で既存の商品から検討を行う場合や、既存商品の限定モデルなどを作る際に活用されることがあり、3Dスキャナで取り込んだデータを3D-CADで調整・設計を行います。 試作品・モックアップ製作時に活用される3Dプリンタ用のデータ作成 試作品・モックアップ製作時には、企業においても個人においても3Dプリンタを活用するケースが増えています。3Dプリンタは、3Dデータを直接機械に読み込ませて造形することができますが、機械に対応するデータを作成する必要があります。 3Dプリンタで使用するデータとしては、多くの3D-CADソフトをサポートしているSTLデータが標準的に広く使用されています。STLデータは造形物全体が一つの材料だけで構成されていることが前提ですが、最近では複数の材料や色情報を含めることができるAMFやFAVなどの新しい3Dデータフォーマットが開発されています。 今回のまとめ 試作品・モックアップ製作時には、アイデア初期段階の手書きのラフスケッチから3D-CADを活用して3Dデータを作成することが一般的です。3D-CADでは、立体物を回転・拡大しながら細かな設計を行うことが可能です。また、ものづくりの分野において既存の物の形状を測定して3Dデータを作成することを「リバースエンジニアリング」といいます。商品開発で既存の商品から検討を行う場合や、既存商品の限定モデルなどを作る際に活用されることがあり、3Dスキャナで取り込んだデータを3D-CADで調整・設計を行います。 3Dプリンタを活用したものづくりでは、3Dデータを直接機械に読み込ませて造形することができますが、機械に対応するデータを作成する必要があります。3Dプリンタでは、多くの3D-CADソフトをサポートしているSTLデータが標準として広く使用されています。