試作品・モックアップ製作は工法によって使用できる材料が異なります

2021/07/26
column

商品開発を行う際、デザインや機能の他に、使用する素材の検討を行います。素材によって、生産時のコストや機能、強度、耐久性などが異なるため、試作品製作で様々な素材を用いながらしっかり検討することが大切です。
そこで今回は、試作品・モックアップ製作において使用する材料と各材料に適した工法についてお伝えします。

【目次】
1.粉末造形で使用することができる材料
2.NC加工で使用することができる材料
3.真空成形で使用することができる材料
4.真空成形で使用することができる材料
5.今回のまとめ

粉末造形で使用することができる材料

試作品やモックアップ製作で主に用いられる工法の一つとして、「粉末造形」が挙げられます。粉末造形とは、粉末上の材料にレーザーを照射して一層ずつ積み重ねて造形する工法のことを指し、幅広い種類の材料を加工することができます。
具体的に使用できる素材としては、ナイロンやゴム系のエラストマ粉末、ポリプロピレンなどの樹脂材料が挙げられます。粉末造形は、その他にもチタン合金、ニッケル合金、ステンレス合金などの金属材料、耐食性や耐熱性に優れたセラミック材料を使用できる機械もあり、自動車や医療、航空機など幅広い分野での試作品制作に活用されています。

NC加工で使用することができる材料

試作品やモックアップ製作で主に用いられる工法の一つとして、「NC加工」が挙げられます。NC加工とは、材料の塊を切削して造形する加工方法のことを指し、古くからモノづくりにおいて活用されてきた工法です。
具体的に使用できる素材としては、チタン合金やニッケル合金、ステンレス合金、鉄、銅、アルミなどの金属材料、樹脂などが挙げられます。その他にも、ウレタンや発泡スチロール、ケミカルウッド、ABS、木材など様々な材料を加工することができ、材料に応じて最適な機械で加工することにより早く高品質に試作品やモックアップを仕上げることができます。

真空注型で使用することができる材料

試作品やモックアップ製作で主に用いられる工法の一つである「真空注型」は、真空状態の型の中に材料を流し込んで固める工法のことを指します。ウレタン樹脂やエポキシ樹脂、シリコンゴムなどの素材が挙げられ、粉末造形やNC加工よりも加工できる材料が少ないですが、現物から図面なしで製作したり同じものを複数造形することができ、カラーバリエーションの検討などに適しています。

真空成形で使用することができる材料

試作品やモックアップ製作で主に用いられる工法の一つである「成形」は、シート状の材料を軟化させ、型に合わせて成形する工法のことを指します。具体的に使用できる素材としては、ABSやAES、PC、PMMA、PPなどのプラスチック板が挙げられ、粉末造形やNC加工よりも加工できる材料が少ないですが、薄型の物を高精度で製作すること適しています。

今回のまとめ

粉末上の材料にレーザーを照射して一層ずつ積み重ねて造形する「粉末造形」では、樹脂材料や金属材料、セラミック材料など幅広い材料を造形することができます。材料の塊を切削して造形する「NC加工」では、金属材料や樹脂、ウレタンや発泡スチロール、ケミカルウッド、ABS、木材など様々な材料を加工することができます。
また、真空状態の型の中に材料を流し込んで固める「真空注型」で使用する主な材料としては、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂、シリコンゴムなどが挙げられ、粉末造形やNC加工よりも加工できる材料が少ないですが、同じものを複数造形することに適しています。シート状の材料を型に合わせて成形する「成形」で使用する主な材料としては、プラスチック板が挙げられ、薄型の物を高精度で製作すること適しています。