試作品・モックアップ製作を外注する上で注意すべき3つのポイント 2021/07/22 column 新しく商品を開発する際は、商品のデザインや機能はもちろん、開発期間やコスト、著作権など様々なことを考慮する必要があります。また、試作品やモックアップ、デザインモデル、性能検討用モデルなどを外部の業者に発注する際は、アイデアの情報漏洩や試作品製作の技術・品質において安心できる業者を選ぶことが大切です。 そこで今回は、試作品・モックアップで試作品・モックアップ製作を外注する上で注意すべき3つのポイントについてお伝えします。 【目次】 1.試作品・モックアップの外注業者と秘密保持契約を締結しましょう 2.パーツ毎で外注先を分ける場合は開発期間に余裕を持たせましょう 3.試作品を製作する目的を外注業者にしっかり伝えましょう 4.今回のまとめ 試作品・モックアップの外注業者と秘密保持契約を締結しましょう 商品開発を行う際、アイデアが外部に漏洩してしまった場合、競合から先に新商品として発売される恐れや、自社の商品と類似した商品が発売される恐れがあります。アイデアの漏洩によって利益の損失や信頼性の低下を招いてしまうことを防ぐため、発注先・発注元の双方で協議の上、秘密保持契約(NDA)を締結することが一般的です。 秘密保持契約を締結することにより、外注先によるアイデア・情報の無断使用や、外部への情報漏洩・無断提供があった場合、損害賠償請求や差止請求を行うことができます。秘密保持契約では、機密情報の管理方法や情報を扱う社員の制限範囲などを明確にし、自社のアイデアや情報が外部に漏れないよう製作を依頼する前に予めしっかりと取り決めておくことが大切です。 パーツ毎で外注先を分ける場合は開発期間に余裕を持たせましょう 開発している商品が複数のパーツや部品、ユニットから構成される場合は、パーツ同士の組み付けを行う必要があります。パーツの寸法が異なっている場合や精度が低い場合は、組み付け時にズレが生じてしまい品質や安全性を損なうため、パーツを組み合わせながら細かな調整を行う必要があります。 また、一社の業者で全てのパーツを製作する場合はスムーズに調整することができますが、商品のパーツ毎で外注先を分ける場合は、各社に調整の指示を出す必要があり、多くの時間を要する可能性があります。そのため、複数の業者に分けてパーツや部品、ユニットを発注する場合は、開発期間に余裕を持って計画を立てることをお勧めします。 試作品を製作する目的を外注業者にしっかり伝えましょう 試作品では、デザインや素材、機能、精度、カラーバリエーション、量産時のコスト削減など様々な検討を行いますが、検討する内容によって試作品の製作工法や素材、精度が異なります。例えば、試作品で量産を見据えた検討を行う場合は、しっかりと内部構造まで作り込む必要がありますが、デザインやカラーバリエーションなどを検討する場合は、内部構造まで作り込む必要がないため低コストかつ短期間で製作することができます。 以上は極端な例ですが、コスト削減や開発期間の短縮、商品の品質向上を行うためには、外注業者に試作品を製作する目的をしっかり伝えておくことが大切です。 今回のまとめ 試作品やモックアップを外注する際は、秘密保持契約を締結し、自社のアイデアや情報が外部に漏れないよう製作を依頼する前に機密情報の管理方法や情報を扱う社員の制限範囲などをしっかりと取り決めておくことが大切です。また、複数の業者に分けてパーツや部品、ユニットを発注する場合は、組み付け時の調整に多くの時間を要するため、開発期間に余裕を持って計画を立てることをお勧めします。コスト削減や開発期間の短縮、商品の品質向上を行うためには、外注業者に試作品を製作する目的をしっかり伝えておくことが大切です。