企業の開発責任者が知りたい商品開発で販売価格を決めるポイント 2022/12/13 column 商品開発において非常に重要なのが、販売価格の設定です。勘を頼りにした価格設定やコストに一定の利益だけを上乗せする価格設定では、安定した利益を獲得することはもちろんのこと、利益をさらに上げることも難しいでしょう。 ここでは、企業の開発責任者が覚えておきたい販売価格を決定するポイントについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 【目次】 1.商品開発で製造コストを導き出して一定の利益率を上乗せして価格設定を行う 2.価格設定後はターゲットのリアクションを確認する 3.競合品の状況をチェックして販売価格を決める 4.今回のまとめ 商品開発で製造コストを導き出して一定の利益率を上乗せして価格設定を行う 販売価格を決定する一つ目のポイントは、ずばり製造コストを導き出した上で一定の利益率を上乗せする「マークアップ法」を採用することです。マークアップ法は、卸売業者や小売店でよく採用される販売価格の決定方法であり、製造原価ではなく仕入れ原価をもとに算出します。 この方法には、価格設定の主導権があくまでも企業側にあるというメリットがありますが、顧客や市場との価格に相違があった場合に商品がなかなか売れなくなってしまうので、慎重に価格設定を行ってください。 価格設定後はターゲットのリアクションを確認する 二つ目に重要なポイントは、商品の試作品製作の工程において、販売価格に対する市場やターゲット層の反応をチェックして、適正な販売価格を模索することです。 顧客に対して価格に関するいくつかの質問をすることで、商品の「上限や下限価格」、そして、顧客が価格の妥当性を認識する「認識価格」の3つの価格を求められます。 それらの価格を総合的に判断して、最適な価格を模索していきましょう。 競合品の状況をチェックして販売価格を決める 製造コストから一定の利益率を上乗せする「マークアップ法」と顧客目線による妥当な価格を把握したら、次に競合他社の製品の市場価格を調査し、最終的な販売価格を決定していきましょう。 競合他社と比較する際に大切なのが「スキミングプライシング」と「ペネトレーションプライシング」という2つの考え方です。 スキミングプライシングとは、新しい市場に参入する企業が、初期の段階から高い利益を得るために、初めから販売価格を高めに設定する方法です。その後、競合他社が新たに市場に参入する際に販売価格を下げていくことで、価格に敏感な消費者を獲得できます。 スキミングプラシングは、他の企業にはない斬新な商品やサービスを展開する際や商品に希少価値がある場合に非常に有効的な方法です。 ペネトレーションプライシングとは、スキミングプライシングとは異なり、初期段階から価格設定を低めにすることで市場シェアの拡大を目指す考え方です。 この戦略は、在庫品の処分をする際などに有効的な手段ですが、企業の狙い通りに顧客を獲得できれば企業ブランディングにも大きく寄与する方法と言えるでしょう。 今回のまとめ 今回は、企業の開発責任者が知っておくべき販売価格を決めるポイントについて詳しくご紹介しました。価格を決める際は、製造コストから一定の利益率を上乗せする「マークアップ法」を採用すること、顧客目線による妥当な価格を把握すること、そして、競合他社の状況をしっかりとリサーチした上で妥当な販売価格を設定することの3つのポイントが大切です。 商品開発や販売価格の決定にお困りの方は、ぜひ東海モデルまでご相談ください。ものづくりのプロとして、製品の試作品製作から製品の企画開発までをワンストップでサポートいたします。