商品開発に役立つ消費者心理:消費者の商品・サービス購入類型とは

2022/12/07
column

商品開発においては、消費者心理を把握することが非常に大切です。消費者が商品やサービスを購入する際には、3つの型があることをご存じでしょうか。
ここでは、消費者の商品・サービス購入類型の3つの型について解説します。それぞれの特徴を知ることで消費者の商品購入パターンを想定できるため、ぜひ商品開発の参考にしてください。

好奇心旺盛で飽きやすいバラエティシーカー型

バラエティシーカー型は、さまざまな商品を頻繁に買い替え、1つの商品を長く使わないような好奇心旺盛で飽きやすい行動です。この行動は、飲食物や車、衣服などさまざまなジャンルに当てはまります。情報化社会の影響を受け、広い意味でのバラエティシーカーは広がってきていると言えるでしょう。
また、消費者調査をする際最初にトライアルする方がバラエティシーカー型だった場合、リピーターになる確率は低いので、このタイプは狙わない方が良いかもしれません。新商品や新サービスを開発する際は、バラエティシーカー型のようなリピーターになりづらい方が一定数いることを把握し、トライアルの結果が好評だったからといってその方たちが皆リピートする訳ではないことをよく理解する必要があります。

関心度が低くても買い続けてくれる習慣型

習慣型は消費者にとってブランド間の知覚差異が少なく、かつ関心度の低い商品カテゴリに対する消費者心理です。消費者行動図鑑ではアサエルの購買行動類型に基づき、商品カテゴリの「知覚差異」と「関心」の両方が低い場合、習慣型と位置付けています。
習慣型に対応する商品の代表例はティッシュやアルコールスプレーなどの低額かつ低関与な買い周り品が該当します。これらの商品は、購入検討までにほとんど比較・評価を消費者が行わないので、製品の質や機能よりも価格の安さやブランド知名度が選択の決め手となることがほとんどです。

商品開発で忘れがちなのが認知的不協和低減型

認知的不協和低減型というのは、多くの方であればよく検討してから商品を購入するところを特に検討もせず、とりあえず購入してからその商品のメリットを見つけようとするタイプの方を指します。
心理学では認知不協和理論と呼ばれ、個人の持つある認知と他の認知との間に、不一致または不調和が生まれることを意味します。その結果、不調和を解消または低減しようとして行動や態度に変化が起こります。居心地の悪さを表現する心理学用語の一つです。
認知的不協和低減型が商品を購入する例を2つご紹介します。

例1:タバコの購入がやめられない

喫煙者の方の多くが、タバコは身体に悪いものと認識しているにもかかわらず、タバコをやめられません。そこには、「タバコは身体に悪い」と「タバコを吸いたい」という認知的不協和が生じています。
そのとき喫煙者はタバコを吸い続けるために、自らの行動を正当化しようとするでしょう。矛盾している行動を正当化して、認知的不協和を低減させようとしています。

例2:飲食店の行列店に並んでしまう

行列に並ぶ時間が長いほど、不協和の度合いが強いと言われています。「これだけ大勢のお客さんが並んでいるから、美味しい料理が出てくる」と認知して、不協和を低減しようとしていると言えるでしょう。

今回のまとめ

今回は、消費者の商品・サービス購入における3つの型についてご紹介しました。基本的に消費者はこの3つの型のどれかに当てはまりますので、それぞれに対応できる商品開発が必要です。どの型の消費者にアプローチしたいかよく検討し、商品開発をしていくことをおすすめします。