ものづくり企業のサプライチェーンマネジメント(SCM)とは 2022/12/05 column 「いますぐ会社の業務を効率化したい」と思っている企業の方も多いのではないでしょうか。業務を効率化するために使えるのが、サプライチェーンマネジメント(SCM)です。しかし、現在でも多くの企業では導入されていません。導入できるかできないかで業務の質が変わるので、トライしたいところです。 ここでは、ものづくり企業のサプライチェーンマネジメント導入することで得られるメリットを中心に解説しますので、ぜひ参考にしてください。 【目次】 1.ものづくり企業は安定的かつ無駄のない供給体制を整える必要がある 2.リソースの流れを正確に管理するのがサプライチェーンマネジメント(SCM)のポイント 3.ハイレベルな管理体制を構築することでサプライチェーンマネジメント(SCM)は可能になる 4.今回のまとめ ものづくり企業は安定的かつ無駄のない供給体制を整える必要がある 総務省の「平成30年版情報通信白書」によると、各国企業のICT導入状況はイタリアとドイツが90%を超えていて、米国も約80%なのに対し、日本は約70%に留まっています。 さらに、ICTを活かすための環境整備の状態においても、イタリアとドイツは80%以上の企業が実施し、米国も70%なのに対し、日本は50%を切る水準です。つまり、ものづくり企業に限らず日本の約半数の企業はITを活用できる土台が出来上がっていません。 ものづくり企業では、安定的かつ無駄のない供給体制を整える必要があるので、ICTの導入は急務になるでしょう。 リソースの流れを正確に管理するのがサプライチェーンマネジメント(SCM)のポイント サプライチェーンの構造は、メーカーや輸送業者、小売業者などが携わる水平分業型です。そのため、一部の企業の業務に滞りが出てしまうと、全体の事業がうまくいかなくなる「サプライチェーンリスク」が発生します。 業務の滞りの原因としては、地震や台風などの天災や、情報セキュリティ事故など様々なものが挙げられます。各々の企業は、リスクマネジメントや事業継続などの計画を立て、リソースの流れを正確に管理し、リスクを回避しなければなりません。 特に、ものづくり企業におけるサプライチェーンマネジメントは「リソースの流れ」の把握が必須。全体像を把握することで、ボトルネックを把握しやすくなり、製造工程の改善ポイントが明確になるからです。 リソースの把握には生産スケジューラの導入がおすすめです。生産スケジューラであれば、サプライチェーン全体を簡単に可視化できるため、材料購入や製造などのスケジュールを同期させて、無駄のない製造やリードタイムの短縮ができるようになります。 ハイレベルな管理体制を構築することでサプライチェーンマネジメント(SCM)は可能になる サプライチェーンマネジメントを実行するためには、それを管理するためのハイレベルな管理体制を構築する必要があります。サプライチェーンマネジメントでは、金や物、情報の流れをリアルタイムで追う必要があることに加え、管理しなければならない範囲も非常に広いのです。 管理体制を構築するメリット 製造から流通、販売までを一元管理するので、各工程における製品やサービスの状態・生産効率・管理状態などを全て可視化することが可能。その結果、以下のようなメリットが得られます。 ・需要の多い少ないによって人員配置を変更でき、コストの調節もできる ・効率的な無駄のない生産体制を構築できる ・適正な在庫管理ができる また、ビッグデータを活用した需要予測により、変わりやすい消費者のニーズに対応し、スピーディに供給体制を作れます。社内外問わず、すべての工程を一元管理できるので、経営判断や見直しも迅速に行われ、現場への指示もスムーズです。 今回のまとめ 今回は、サプライチェーンマネジメントについて解説しました。ものづくり企業では、活用できるかできないかで業務の効率が変わってくるので、業務を効率化して無駄を無くしたい企業の方は導入することをおすすめします。また、サプライチェーンマネジメントを活用するためには、ハイレベルな管理システムの構築が必須になるので、こちらも合わせて行うようにしましょう。