開発担当者や試作品設計者も押さえておきたい部品の見積もりの内訳 2022/11/25 column 試作品製作の際に、もらった部品見積もりの内訳がわからずに困っている方も多いのではないでしょうか。部品見積もりに含まれるのは、部品単価だけではありません。その他の要素も多く含まれているため、何が含まれているかを把握した上で見積もりを確認することが大切です。 ここでは、開発担当者や設計者が知っておきたい部品見積もりの内訳を解説します。どのような要素が含まれているのか、いつ頃見積もりをもらえば良いかについても解説しますので、見積もりの見方で悩んでいる方は参考にしてください。 【目次】 1.試作品製作における部品の見積もりには人件費や材料費が含まれる 2.加工工程や設備費に対するコスト意識が大事 3.リアルタイムで見積もり計算を行うと内訳が明確になり試作品製作のコスト意識が高くなる 4.今回のまとめ 試作品製作における部品の見積もりには人件費や材料費が含まれる 試作品製作の際にもらう部品見積もりの中には、部品単価以外に人件費や材料費、設備費なども含まれています。部品は誰の手も借りずに出来上がるものではありません。完成するまでに材料・人・設備・段取りが必要で、場合によっては加工も行います。 材料費は部品に使う素材の値段、人件費は製作や加工を行う人員に支払う給与など、設備費は部品製作に必要な機械の購入費や稼働費用です。いずれも部品製作において必須となる項目なので、見積もりをもらう際にはこれらも一緒に請求されるものと考えてください。 加工工程や設備費に対するコスト意識が大事 開発者や設計者の方は、製品企画と並行してコストを意識した加工方法などをチェックするようにしてください。開発者や設計者は、製品の組み立てにかかるコストを意識して企画することはありません。 しかし、企画時にコストを意識すれば、どのような設備でどんな加工方法を行えば良いかといったことが明確になります。明確になった工程を部品メーカーに伝え、その通りに作ってくれるところが見つかれば、製品のコストを大幅にオーバーすることもないでしょう。 リアルタイムで見積もり計算を行うと内訳が明確になり試作品製作のコスト意識が高くなる 製品の企画時からリアルタイムで見積もり計算をしておくと、製作時にかかる費用の内訳が明確になります。製品設計時に使われているCADシステムの中には、自動見積もり機能を搭載しているものもあります。そちらを使えば組み立てまでにかかるコストを予測してくれるため、ある程度のコストを把握した上で製品企画を進められるのです。 現在使っている設計システムに自動見積もり機能がない場合は、機能を搭載したシステムを導入することがおすすめです。これまでコストを意識していなかった設計者も、コスト意識によって製造方法や加工方法を考慮できるようになります。 製品についての知識を豊富に持つ設計者が製造方法まで把握すれば、コストを抑えてより良い部品を発注できます。コストを抑えることは会社の利益にも影響しますので、開発者や設計者にも協力を仰ぎましょう。 今回のまとめ 試作品製作時にもらう部品見積もりには、部品の材料費だけでなく人件費や設備費、加工費など様々な要素が含まれています。細かな項目を記載した見積もりを作成するメーカーは少ないものの、どのような要素が含まれているかを把握しておけば、妥当な金額かどうかを判断しやすくなるでしょう。 部品の材料費や人件費は変えられないものの、加工方法や設備費に関してはコスト意識によって変えられます。自社の希望に対応してくれるメーカーが見つかれば、予測範囲内のコストで部品を作ってもらえるため、割高になりやすい試作品製作時に最適です。 設計者や開発者が加工方法や設備費などのコスト意識を持つことで、部品製作時の要望もまとまりやすくなります。CADシステムには、自動見積もり機能が搭載されているものもありますので、システムを上手に活用してコストを抑えた部品製作を依頼してください。