商品開発を行う上で押さえておきたいマイケル・ポーターが提唱する集中戦略とは? 2022/11/14 column 商品開発を行う上で押さえておきたいことの一つが、「集中戦略」です。集中戦略を正しく扱うことができれば、今まで以上に自社の利益を上げられるようになるでしょう。また、戦略を取り入れる際はメリットとデメリットについて理解しておく必要があります。 ここでは、集中戦略について、メリット・デメリットも合わせて解説しますので、ぜひ実践する際の参考にしてください。 【目次】 1.マイケル・ポーターが提唱する集中戦略とは? 2.集中戦略はコスト集中と差別化集中の2種類の戦略に分けられる 3.集中戦略を意識して商品開発を行うメリット・デメリット 4.今回のまとめ マイケル・ポーターが提唱する集中戦略とは? 集中戦略とは、特定の市場に製品やサービスを投入する戦略です。市場を絞り込むことで、特定の市場のニーズや慣行にマッチした商品やサービスのカスタマイズに資源を投下できるので、顧客満足度を高められるでしょう。 マーケティング戦略も集中的に行えるので、ブランディングが容易にできます。結果として、高収益を上げられる可能性が高まります。 高収益を上げるためにも市場の選び方が重要です。平均以上の投資収益率を得るためには、自社の強みを活かしながら成長できる可能性が高い市場を選択することが大切です。 集中戦略はコスト集中と差別化集中の2種類の戦略に分けられる 集中戦略は「コスト集中」と「差別化集中」の2種類の戦略に分けられます。それぞれについて解説します。 コスト集中 コスト集中は特定のターゲットについて競合他社よりも、低いコストを実現することで優位に立つ戦略です。原材料の調達や販売などにかかるコストを削減します。 差別化集中 差別化集中では特定のターゲットに集中したうえで、競合他社と差別化した製品・サービスを提供する戦略です。差別化する点としては、ブランドイメージや技術、サービス内容、販売チャネルなどが挙げられます。 差別化集中は中小企業で多く採用されています。価格以外の面で差別化を図れるため、競合他社との価格競争を避けられます。 集中戦略を意識して商品開発を行うメリット・デメリット 集中戦略のメリットとデメリットについて見ていきましょう。 集中戦略のメリット 企業が集中戦略を取るメリットは2つあります。 1つ目は「競合他社との競争が避けられる点」です。集中戦略はニッチな市場をターゲットにすることが多いため、競合他社との競争をする必要がありません。 2つ目は「経営資源を最大活用できる点」です。集中戦略は他の市場に目を向ける必要がないため、自社の経営資源を最大活用できます。 集中戦略のデメリット 集中戦略のデメリットは3つあります。 1つ目は「大手企業に参入されるリスクがある点」です。大手企業の場合、豊富な経営資源を用いて市場を独占するための戦略を取ってくる可能性があります。自社がニッチな市場を独占している場合、大手企業の参入を阻止するための利益率の調整対策が必要です。 2つ目は「環境の変化に弱い点」です。ニッチ市場でも商品が人気になり、参入者が多くなれば、ニッチな市場ではなくなります。自社がニッチな市場を独占している場合は、市場全体を常に把握して、ニッチ市場を大きくしすぎないための対策を行わなければなりません。 3つ目は「ターゲットを絞ることによるリスクが生まれる点」です。市場は常に動いているので、ある日突然商品のニーズがなくなってしまうケースもあります。特に、ニッチな市場の場合は珍しくありません。そのため、常に顧客のニーズを把握するなどの対策を行うようにしてください。 今回のまとめ 今回は、集中戦略について詳しく解説しました。集中戦略は中小企業が大企業に勝つための戦略の一つ。適切に戦略を実行することにより、利益の向上も期待できるでしょう。集中戦略にはコスト集中と差別化集中に分けられるので、メリットとデメリットを踏まえながら、自社で今どのような戦略が適切なのか検討して取り入れていくことをおすすめします。