マイケル・ポーターが提唱する差別化戦略とは?商品開発には差別化戦略が必須

2022/11/11
column

「自社の製品が売れないけれど価格変更はしたくない」と考える企業の方も多いのではないでしょうか。そのような時に有効なのが、「差別化戦略」です。
ここでは、差別化戦略の特徴や具体例について解説していますので、差別化戦略を実行してみたい方はぜひ参考にしてみてください。

マイケル・ポーターが掲げる3つの基本戦略

ポーターの基本戦略とはアメリカの経営学者であるマイケル・ポーターが提唱した、競合他社に打ち勝ち、競争優位性を得るための経営戦略論です。企業が生き残るためのポジショニングや戦い方を提唱しており、競争戦略のフレームワークとして世界中で利用されています。
ポーターの基本戦略は以下の3つです。

・コスト、リーダーシップ戦略
・集中戦略
・差別化戦略

企業は基本戦略を3つともすべて行うのではなく、自社にあった戦略を1つ選び、実行していく手法が一般的です。しかし、状況によっては複数を組み合わせた方が良い場合もあります。

商品開発における差別化戦略とは商品の独自性による差別化

差別化戦略とは自社の独自性により競合他社との差別化を図り、顧客にとっての魅力と価格を想像し、競争優位性を獲得する戦略のこと。マイケル・ポーターが言う差別化とは、他社と違う製品を作ってアピールするのではなく、以下の2つの要素を含んだもののことです。

 ・他社製品やサービスと比べて明らかな特異性がある
 ・価格が高くても買ってもらえる状態が作り出されている

日本では低価格で競争しているケースは珍しくありませんが、マイケル・ポーターの言う差別化において価格は要因に含みません。
差別化戦略を行うメリットは以下の4つです。

・価格競争から脱却できる
・価格を下げないため、利益率が落ちる心配がない
・業界への新規参入を防ぐことも可能になる
・自社の強みを明確化でき、それを伸ばすことができる

一方で、デメリットも3つあります。

・今までの価格を上げると既存客からのクレームの原因になる
・価格が安い競合他社に顧客が移る危険性がある
・かなりの労力が必要になる

差別化戦略には品質やデザインなど様々な方法がある

差別化戦略には、品質やデザインなどの製品・ブランドイメージの差別化や、サービスや販売チャネルの差別化などのさまざまな方法があります。競合他社に模倣された場合や顧客の要求が上がり既存商品では価値が見出されなくなった場合などは、戦略を見直す必要が出てくるでしょう。

差別化戦略の例

差別化戦略の成功を収めた有名な例は、「スターバックスコーヒー」です。スターバックスコーヒーが差別化したのは、「商品」と「店内環境」の2つです。他のコーヒーチェーンと比較すると単価が高い傾向にありますが、それでも集客でき、現在でも絶大な人気を誇るのは他のチェーンにはない価値を見出していたからでしょう。
スターバックスコーヒーが実際に行った差別化は以下の5つです。

・提供しているドリンクが多く、カスタムもできる
・コーヒーが他のチェーンよりも美味しい
・各店にバリスタを配置している
・店内全面禁煙
・店内の内装を店舗ごとにこだわっている

これらの差別化を行った結果、「居心地良くおしゃれな空間で質の良いコーヒーを楽しむ」という高級感を演出しました。他のコーヒーチェーンでは味わえない体験を用意することで、スターバックスコーヒーは独自のポジションを築き上げたのです。

今回のまとめ

今回は、差別化戦略について解説しました。商品を開発して販売するためには、差別化戦略を行う必要があります。単純に価格を下げることで差別化とするのではなく、本記事でご紹介したマイケル・ポーターの差別化やスターバックスコーヒーの例を参考に差別化戦略を練ってみてください。