企業のものづくり業界変革の鍵となるデジタルツインとは?注目される背景や活用事例 2022/09/27 column デジタルツインとは、拡張現実であるARや仮想現実であるVR上のデジタル空間に、現実の空間を再現することを指しています。この技術がより輝くのは、ものづくりをする企業においてです。生産現場にデジタルツインを導入することで、より設備監視しやすくなるでしょう。今回は、このデジタルツイン技術についてご紹介します。 【目次】 1.デジタルツインとは現実世界をデジタル空間上に再現する技術のこと 2.デジタルツインがものづくり企業に注目される背景 3.ものづくり企業におけるデジタルツインの活用事例 4.今回のまとめ デジタルツインとは現実世界をデジタル空間上に再現する技術のこと 現実世界をデジタル空間に再現している例として、メタバース空間に街の駅をそのまま再現しイベントを実施することなどが挙げられます。一見すると、このデジタルツインの技術はエンタメ性の高いものと思われがちです。しかし、この技術を活用することによって、現実世界の製造ラインをそのままデジタル上に反映させることも可能となります。 デジタルツインの最大の利点は、実際の現場の状況をリアルタイムで反映させることで、現実の製造ラインの状況をリモートで把握できるようになることです。こうしたことからも、デジタルツインは製造ラインを支えている企業から注目を集めています。 デジタルツインがものづくり企業に注目される背景 企業のDX化が進み、DXで収集したデータがさらにマーケティング戦略や生産性の向上につなげられることが解りました。デジタルツインを使用して、こうした膨大なデータを活用することにより、デジタルツイン上での検証をより正確なものにしたのです。 さらに、製品にセンサーを取り付けるIoTが普及し、センサーから得られる情報もより精密なものになっていきました。センサーが検知する動きや位置などは、5G技術を駆使してすぐさま手元に送ることも可能です。こうしたDX化とIoTの普及により、デジタルツインも活用されていったのです。 ものづくり企業におけるデジタルツインの活用事例 ものづくり企業は、このデジタルツインから得られるメリットが特に大きく、現在多くの企業から注目を集めています。製造ライン全体をデジタルツインで再現することにより、製造中に発生した不具合などをあとからチェックすることが可能。デジタル上で必要な人員配置のシミュレーションを実施したり、設備の安全確保のために各所の稼働状況を遠隔でチェックしたりすることも可能です。 必要な人員が足りない、設備の不具合を見落してしまう、といった事態を防げるのがデジタルツインのメリットだと言えるでしょう。 今回のまとめ デジタルツインは、現実世界と全く同じ空間を、デジタル上にも再現する技術。この技術を活用すれば、製造ラインだけではなく医療現場のロボット管理や、実際に稼働している設備のメンテナンスなどにも活用することが可能です。 デジタルツインがさまざまなシーンで活用できることは知られてきましたが、まだまだ完全に使いこなされている訳ではありません。今後さらなる躍進が期待できる分野となっています。ものづくりに関わるデジタルツイン活用から、ますます目が離せなくなっていくでしょう。